2023年06月22日 11:58更新
今注目の「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた「ワーケーション」。そのワーケーションの地で、子どもを保育施設に通わせながら仕事を行い、地方での暮らしを体験する仕組み、「保育園留学」が新潟県佐渡市で実施され、その第一弾となる家族が今月佐渡に訪れました。
この「保育園留学」は、東京の企業が企画したもので、地方の保育施設に子どもを預けながら、子育て世帯が1週間から3週間仕事をしながら移住体験する仕組みです。佐渡市は全国15拠点目となり離島では初の試みです。
佐渡市でも人口減少対策の一環で、子育て世代の関係人口の拡大や、移住促進を目指したワーケーションを推進していて、このほど民間と連携し「保育園留学」の希望者を募集。佐渡での第一弾となる家族が6月17日に島内入りしました。今回佐渡に滞在したのは、その保育園留学を企画している株式会社キッチハイクの社員伊藤 秀和さんの家族です。
山形県酒田市在住の伊藤さんは、将来的に島暮らしをしてみたいという希望があり、自身の会社の仕組みを利用し今回、妻、小学生、保育園児の4人で佐渡に1週間ほど滞在します。伊藤さん本人と妻はリモートワークで仕事を行い、小学生の娘さんはオンラインで授業を受けています。
保育園留学を利用した伊藤秀和さん
「2、3日の旅行だとすべて回り切れないとこもあるが、食や地域の魅力を感じながら実際1週間という中で暮らしたらこうなるかなと、想像しながら過ごした1週間だった」
この取り組みで園児を受け入れる、一時預かりの対象施設となっている民間が運営する沢根保育園では、今回19日から23日までの5日間受入れを行いました。伊藤さんの息子、新くん6歳は自然豊かな沢根保育園で虫取りなどしながら元気いっぱいに友達と遊んでいました。
新くん
「楽しい!」
保育園留学を利用した伊藤秀和さん
「最初は緊張していたがもう慣れて走り回っていた」
一時あずかりを通年で実施している沢根保育園でも保育園留学の受入れは子ども達への刺激になるといいます。
沢根保育園 藤堂晋司園長
「一時的なものといえ子ども社会ができることで、子ども同士の関係性がうまれていき、新君と仲良くなった子もいて、そこで遊びが広がっていくところもある」
佐渡市は令和4年度の移住者が600人と年々増加傾向にありますが(令和3年度比+97人)、若者世代の比率を高めたいと子育て世代へのアプローチとしてこの取り組みに期待しています。
佐渡市担当者
「日本全体で人口が減っており、コロナも落ちついてきているなか、東京への一局集中なども考えられるため、佐渡と親子世帯の関係人口を深めていきたいということで親子ワーケーションを推進することになった」
休憩時間などには、家族で近くの海に出かけるなど、佐渡を満喫している伊藤さんですが課題も見えたと言います。
保育園留学を利用した伊藤秀和さん
「些細なことですが、滞在中に使用する調味料など現地調達は結構大変なので、備え付けのものがあれば良いと思いました。また、佐渡汽船から滞在場所までの距離が離れているので、二次交通についても今後検討し、より利用者が佐渡に来やすいような仕組みを作っていけたらいいなと思います」
佐渡市では、今後このような課題についてタクシーの定額制やバスを使った新たなサービスなどを検討するほか、現在行っていない公立保育園への受け入れなども、今後整えていきたいとし、佐渡への移住のきっかけにつなげたいとしています。佐渡での保育園留学は今後、2組の実施が決まっていて5組で調整中ということです。
佐渡テレビジョン
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