2022年11月08日 11:09更新

オリンピック3大会で前人未踏の3連覇を果たした、柔道家の野村忠宏さんの講演会が6日（日）に中郷区で開かれました。中学生からの質問に対しては見事なイッポン、的確にアドバイスしていました。

野村忠宏さん
「26年前のアトランタ、次のシドニー、アテネ。全部向き合い方が違った……」

講演会は中郷区地域協議会が「未来を担う子ども達に、何か残したい」と提案し、上越市などが主催しました。

野村さんは奈良県出身の47歳。祖父も父も柔道家という柔道一家に育ちました。中学生の時の体重は45キロと小柄で、県大会の成績はベスト16が最高でした。高校時代は大柄な部員ばかりを相手に修練を重ね、大学2年で全国優勝を果たします。

続く4年生の時に、自身初めてとなるアトランタオリンピックに出場し、金メダルを勝ち取ります。

野村忠宏さん
「『変わる』ということは何かきっかけがある。（出身の）天理大学で細川先生と出会った。ロス五輪60キロ級 金メダリスト。『こなす練習をしているだけで強くなれると思うか？』と聞かれた。その日から練習への意識が変わった」

さらに2度目のオリンピック、シドニーでは、得意の背負い投げを徹底的にマークされたため、全ての試合を異なる技で勝ち2連覇。しかしその後、勝てない日々が続いたといいます。

野村忠宏さん
「邪魔をしていたのはプライド。『2連覇した野村』というプライドがあった。プライドを捨て弱さを認めた」

講演で野村さんは、何度も「あきらめない」という言葉を口にしました。

野村さん「これが金メダルです」

この後の質問コーナーでは去年、柔道の県大会新人戦で優勝した上越市立中郷中学校2年の宮尾心海さんが、野村さんにストレートな疑問をぶつけました。

宮尾心海さん
「意識したり大切にしていることは？」

野村さん
「自分がどうなりたいのか。目標を持つ。自分で決めることが大事」

宮尾心海さん
「心に残った。響いた。『私は強いんだ」みたいなプライドが心のどこかにあり結果が残せていない。『プライドを捨てる』というのが特に響いた。お世話になった方に恩返しができるように目標に向かって頑張りたい」