2022年02月21日 18:05更新

上越市の中川市長が、就任後初めてとなる来年度の一般会計予算案を21日（月）に発表しました。予算規模は977億円あまり。市長は、来年度を公約実現に向けた「準備の年」と位置付けたうえ、子育て環境の充実や地域交通の整備など、生活の質を向上させる予算だと話しました。

中川市長は、去年初当選した時の公約を、通年観光や子育て、地域交通などを8つのプロジェクトとして位置付けました。

そのうち子育て分野では、出産後の健康診査の助成や、心身の具合が悪い人への助産師の訪問ケアなどに790万円あまりを盛り込みました。さらに、保育園児などの急病対応として、保護者が仕事などで動けない時、代わりの人が保育園から病院へ連れていけるようにする新しい制度を設け、630万円を盛り込みました。

また、中山間地での高校生の通学やマイカーを使えないお年寄りの足を確保するため、いわゆる予約型のコミュニティバスの実証運行を始めます。この仕組みでは、現行のバスと違い、区内のバス停をニーズに応じて自由に運行できるということです。事業予算はおよそ840万円を盛り込み、今年10月から、安塚区と牧区で運行を始める計画です。

このほか、市長が公約に掲げていたふるさと納税を増やすため、返礼品にメイド･イン上越の認証品や地場産品を積極的に活用する事業におよそ7500万円を盛り込みました。具体的には、新年度早々、返礼産品の公募や市内の事業者への説明会を開き、8月にはポータルサイトを立ち上げるということです。

このほか、市長が公約の核に掲げていた地域自治区ごとの独自予算については、新年度は地域と議論を詰める準備にあて、再来年度に本格的な始動を目指します。これについて市長は「（地域分権は）早く変化しすぎると市民が困惑してしまう。令和5年度から自分たちで予算の組み立てをしてもらうことを目標に、準備していきたい。話し合いが大事だ」と話しています。

上越市の一般会計新年度予算案は977億8239万円。前年度より43億円ほど、4.6％増えました。予算案は、来月の市議会定例会で審議されます。