2019年02月19日 17:02更新
身寄りのないお年寄りが病気や事故で倒れた時、地域社会は、どう支えたらよいかをテーマにしたシンポジウムが18日、上越市で開かれた。
このシンポジウムは身寄りのない高齢者のケアや死後の手配をどうするかをテーマに、社会福祉法人「上越老人福祉協会」が開いた。主催者によると、身元保証人のいない高齢者を受け入れる介護施設などは全国でわずか13.4%ということ。
シンポジウムの講師には、身寄りのない高齢者と「契約家族」という関係をむすんでサポートするNPO法人「りすシステム」の黒澤史津乃さんが招かれた。
黒澤さんは、高齢者が死を迎える前後を「周死期」と位置付け、介護施設に入る時の身元引受け保証から葬儀費用の支払いまで決めておくことはたくさんあるとして、次のように話した。
「ひとつの問題はお金。税金の投入は一切無いのでどうしてもお金がかかる。自分で用意する壁がある」
その上で黒澤さんは、介護保険などによる「共助」と生活保護による「公助」で国はいっぱいいっぱいだとし、今後大切なのは「自助」で、自分で若い時から準備すること。さらに「互助」、地域で支えることだと現実の厳しさを話した。
続いて、上越市社会福祉協議会や特別養護老人ホームの職員などによるパネルディスカッションが開かれ、地域の現状と今後への課題を話し合った。
りすシステムは、身寄りのない高齢者の契約家族として、身元保証などさまざまな手続きを進めるが、契約には相応の費用がかかる。黒澤さんは「NPOも原資があるわけではないのでどうしても自己資金が必要……。お金の無い人の支援をどうするかが新たな課題」と話した。
主催の川室優さん「人生百年、家族関係は無いに等しい。その中で契約家族を実現したり、生前に意思決定することが大事」と。
講師を務めた黒澤さんは「上越は関係機関の連携が良い、なんとかしようという福祉の力、意識の高さがある」と評価する一方で、「自己責任という人生の見つめ方が必要」と話していた。
※ご覧の記事の内容は2019年2月19日(火)JCVニュースLiNKで放送(TV111ch) 初回18:30~
※プレミアム会員 見逃し視聴(配信期間 19日 19:00~25日 19:00まで)
Copyright (C) 2016-2023 上越妙高タウン情報 All rights reserved.