2017年12月24日 17:52更新
上越市が取得を目指し寄付を募った上杉謙信の愛刀で国宝の太刀「山鳥毛」。所有者との折り合いがつかず取得を断念した市が23日、これまでの経緯などを伝える市民説明会を春日謙信交流館で開いた。参加者から多くの質問や意見が出された。
説明会は午後から2回行われ初回は市民約60人が参加した。はじめに野澤教育長が「太刀の購入のために汗を流していただいた皆さん、楽しみにしていた皆さんには約束を果たせず大変申し訳ない。購入の断念は我々も断腸の思いだった。その責任を強く感じている」と謝罪した。
続いて柳沢教育部長が、約2年間に渡る交渉の内容を、所有者と交わしたメールや面会時の様子もあきらかにしながら時間軸にそって詳しく説明した。
この中で当初所有者は10億円を提示していたが評価格が3億2,000万円であることを所有者に通知した結果、一度は合意に至った事。しかし、今年3月以降より高額な金額での譲渡を希望するメールが届くようになり、金額面での折り合いがつかないうえに、上越市に売り渡す気がないことを確認したため、購入を断念せざる負えなくなったと経緯が説明された。
これに対し参加者からは「米沢市が提示金額で購入してしまうのではないか」、「交渉内容に問題がなかったと言い切れるのであれば所有者に対し裁判を起こす気はないのか」、「博物館の展示スペースはどうするのか」、「無記名寄付者への返金はどうやって行うのか」など厳しい質問が相次いだ。その一方で、所有者との縁を生かしてほしいと今後の展開を希望する声もあった。
市民
「内心買う必要は無かったと思っているので良かったが、せっかく刀の所有者と縁が出来たので所有者から刀を借りて、特別展の目玉としてはどうか」
春日山保存団体
「自分たちは春日山城跡を子どもたちと一緒に守っている。今回のことが上越市にとってマイナスにならないような取り組みを是非お願いしたい」
野澤教育長
「 くじけずに(山鳥毛を)借りてくればいいじゃないかという明るい話ももらった。色んな想いをもらいエネルギーにしたい」と話した。
市によると来月15日の広報上越に、これまでの経緯が掲載され、寄附者へは来月上旬に寄附金返還の意向確認文章が送られることになっている。
※2017年12月25日 ニュースLiNKで放送 初回18:30~
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