2024年12月10日 10:00更新
防災士会直江津支部の研修会が8日(日)開かれ、今年元日の能登半島地震を受けて避難方法などを変更した直江津地区の3つの町内会が、避難時の課題や変更点などについて発表し共有しました。
研修会は津波が発生したときの避難方法や、手段の1つである車での避難について考えてもらおうと、防災士会直江津支部がはじめて開きました。支部のメンバー30人ほどが参加し、直江津地区の中でも津波の影響を受ける可能性が高いとされる、沖見町、虫生岩戸、港町1・2丁目のそれぞれが、能登半島地震や今年10月に行った市の総合防災訓練を振り返り、避難時の課題や変更点などを共有しました。
市ではこれまで原則徒歩での避難としていましたが、1人で避難が難しい高齢者など要支援者に関しては、車での避難も選択肢の1つとして提示しています。
このうち港町では、車を使った避難が有効であるかどうかを確認するため、ことし5月の訓練に車避難を取り入れてみました。その結果、直江津地区に津波到達が予想される10分以内に車で避難できた人の割合は、43パーセントにとどまりました。また、高齢者の車の乗り降り、また降りたあと、避難所へ移動するまでに時間がかかることなどがわかりました。
一方で、 車での避難は体への負担が少なく時間を短縮できるなどのメリットが多いとして、港町ではことし8月から要支援者や歩くのが困難な人のみ車で避難することにしました。
さらに、要支援者を乗せて車で避難する場合は、避難所ではなく、浸水が想定されない浸水区域外へ避難し車の中で待機するよう促すことしました。こうすることで避難の時間が短縮されます。このほか、混雑を避けるために車での避難経路を見直し、新たなルートを示しました。
港町 防災士 泉秀夫会長
「(車の経路について)まちの中は徒歩での避難の専用ルートに。車避難の経路は、瓦屋根がない方向やマンホールが少ないなどの条件が合う場所にしている。浸水区域外へ車で避難した場合、1~2時間経ち落ち着いたらリージョンプラザなどへ避難し、安全確認を本部へ連絡する流れになる」
参加者
「安否を確認するのに職場から帰って来る車と逃げる車の往復で渋滞がでるはず。1番最悪な状態を考えて、どういう対応をしていくか考える必要がある」
そのあと港町では、新しい避難ルートで10月の市の総合防災訓練に臨みましたが、車での避難は、それでも時間がかかるなど解決にいたっていません。実際の災害時は、道路が渋滞するなどの課題もあるため、上越市防災士会直江津支部 泉秀夫会長は、市や企業などと協力して進める必要があると話します。
上越市防災士会 直江津支部 泉秀夫会長
「渋滞問題は行政が関わると話しているので希望ある。歩けないけど車なら避難できる人もいる。高齢者をどうするか。もう少し目を配りながら訓練方法 考え方を変えていかないと」
今回の研修会を踏まえ、各町内では津波避難計画を見直すことにしています。
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