2021年09月01日 19:35更新
上越市での新型コロナウイルスの感染者は、お盆休みが明けた先月22日からの1週間で51人と、前の週に比べ3.6倍と大幅に増えました。特に若者、20代の感染者が急増しています。こうした中、市はきのう31日、コロナ対策の初めてとなる専門家会議を立ち上げました。その中で、上越医師会は、家庭での感染を抑えなければならないとして、なによりもワクチン接種の重要性を訴えました。
専門家会議には、上越医師会や上越地域医療センター病院の医師などが委員として参加しました。会議では、お盆休み明けの先月22日~28日までの1週間に、市内での感染者が51人と急激に増えたことが報告されました。これは、前の週の3.6倍になります。そのうち特に増えたのが、20代の感染者です。月別にみると、7月は16人、8月は91人。このうち20代が全体の2割以上を占めています。
会議の座長を務める上越医師会の林 三樹夫理事は、感染力の強いデルタ株への危機感をあらわにしました。
林 座長
「感染症のフェーズが変わってきた。デルタ株は従来株と比べ1.97倍の感染力、咽頭のウイルス量は約1000倍。家庭内の2次感染が多く、従来株は17%なのに対しデルタは53%だ。職場・学校内の感染が増えるのではないかと危惧している」
また別の医療関係者は、家庭内での感染を抑える必要があるとしたうえで、ワクチン接種の必要性を強調しました。
上越地域医療センター病院 病院長
古賀 昭夫 委員
「家庭内感染が今、問題になっている。(ワクチン接種について)怖いという考えの人も多いかもしれないが、大事な家族を守る視点でとらえ、ぜひワクチンを打ってほしい。ワクチンを打つ・打たないのリスクを冷静に考えて」
市によりますと、ワクチン接種の状況は先月29日現在、2回目を終えたのは10万2904人で対象者の54.8%となっています。このうち20代の集団接種は、16歳~22歳までが先月8日に終わっていて、23歳~29歳までは今月11日から始まります。
村山 市長
「デルタ株が空気感染するため、ワクチン接種の効用が大きいという意見があった。市民にはワクチン接種を検討してもらい、接種をしてもらえれば」
このほか先月27日、国府小学校で放課後児童クラブを利用していた児童が感染したことについて、なぜ感染が広がらなかったのかという声があり、今後、上越保健所が分析することになりました。そのうえで、小中学校の2学期が始まった中、児童生徒の感染者が増えた場合の医療体制が必要という声が上がり、県が分析のうえ、対応を検討することになりました。
また、清里診療所から在宅医療の患者が感染した場合の対応を問う声があり、県は次の様に答えました。
上越地域振興局 医監
山﨑 理 委員
「検体採取する人が出かける取り組みが、(管内で)一部始まっている。感染者が増え、検体採取をする人が足りなくなれば、出来る人を増やすなど対応したい」
一方、医療関係者からは、患者のPCR検査や採血検査で、結果が出るまで時間がかかったり、職員が防護服を脱ぐ時に注意を払うことがストレスになっていて、こうした状況が一般診療にも影響していると報告されました。
村山 市長
「現場の苦労・悩みが聞けた。(市が)接種、啓発、感染防止に取り組む中で、頑張らなければいけないという思いをもらった。自分たちのこととしながら、今後取り組みたい」
市では今後、オンラインなどを通じて、専門家との情報交換を重ね、関係機関との連携に生かしていく方針です。
また、会議に出席した上越地域消防局によりますと、上越市内で自宅療養していた感染者が救急車で医療機関に搬送される例が複数あり、いずれも混乱なく受け入れられたということです。
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