2021年08月06日 15:56更新
上越市板倉区で130年続くはしごのぼりの稽古が先月から毎晩続けられています。
去年、コロナ禍で技を披露できなかった中、伝統を絶やしたくないと2人の新人が力いっぱい励んでいます。
板倉区高野の本竜寺の境内ではしごのぼりに取り組むのは、上越市消防団板倉方面隊です。元々は130年前、板倉区の出身者が江戸火消しの技をとび職から教わって地元に伝えたのが始まりでした。以前は4つの集落で行われていましたが、担い手不足から現在は、高野地区を中心に40人だけとなりました。
はしごのぼりは毎年、春の消防総合訓練で披露していましたが、去年はコロナ禍で中止、稽古もできませんでした。
板倉方面隊隊長の増村剛さんは「(去年から)なかなか訓練できず、みんな不安でしたが、コロナが収束した後、演技できるように訓練しています」と話します。はしごのぼりのはしごは7メートル。「逆さ大の字」や「肝試し」など、ダイナミックな技を先輩が後輩に伝えていきます。
今年は、2人の新人が参加して伝統の技に挑戦しています。新人の熊谷健太さんは「(稽古に参加するのは)きょうで3回目。怖い部分もあるが面白さも分かってきたので一個ずつ技を覚えたい」、同じく新人の藁部巽さんは「(先輩は)スパルタな面もあるが、この伝統を守っていくために難しい技を習得したい」と話します。
増村隊長は「(新人2人は)センスがある。このまま訓練を積んでほしい。板倉方面隊のシンボル、誇りとして(コロナ収束後)はしごの心意気を見てもらいたい」と話していました。
はしごのぼりの稽古は、今月6日(金)まで行われました。今年、披露する予定はありません。
熊谷さんは「板倉に住んでいる以上、義務ではなく、町のために少しでも役立ちたい」、藁部さんは「(消防団に)若手がいないので盛り上げたい。これから先頭に立っていければ」と話しています。
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