2024年07月16日 09:08更新
十日町市と津南町を舞台に3年に1度開かれる「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」が13日(土)に開幕しました。イベントは今回で25周年を迎え、コロナ禍を乗り越えて初となる本祭の開催となり、多くの観光客の来訪が期待されています。
第9回展となる「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2024」には、十日町市・津南町の約760㎢の広大な自然を舞台に、41の国と地域から、275組のアーティストが311点の作品を出展しています。
前回の8回展には約57万4000人の入込がありました。今回は2000年の第1回展から数えて25年の節目を迎え、初めて文化庁との共催で開かれます。テーマは「五感全開!里山の自然とアートを楽しもう」で、初登場や新しい展開となった作品は85点にのぼりました。
このうち里山現代美術館MonETでは「モネ船長と87日間の四角い冒険」と題して、回廊棟や明石の湯のエントランスを舞台に楽しみながら体験できる作品が登場しました。
中でも施設中央にある「Palimpsest:空の池」の上を、阿弥陀くじのように渡れる水上歩道が新たに設けられ、訪れた人を楽しませています。
東京から家族で訪れた男性
「昔から何回も来ている、この時期はトリエンナーレに来ると決めているので楽しみに来た。松代の棚田のアートに行こうと思っている。十日町のアートは最高!青い空にいろんなアートが映えていて素晴らしい」
イリヤ・カバコフ:知られざるカバコフー生きのびるためのアート
また芸術祭は「世界とつながる」をテーマにしていて、MonETでは去年亡くなった旧ソ連出身の作家、イリヤ・カバコフの世界初公開となるドローイング作品や、戦禍の中にあるウクライナ出身のアーティスト、ニキータ・カダンの絵画や彫刻も展示されています。
ニキータ・カダン
ニキータ・カダン個展《影・旗・衛星・通路》
ニキータ・カダンは東京電力信濃川発電所連絡水槽(津南町)にも、入ることのできない公園をイメージした金属製のオブジェを展示しています。
ニキータ・カダン:別の場所から来た物
初日の13日(土)は開会式がMonETの駐車場で開かれ、花角知事をはじめ、作品作家や来賓や関係者など350人ほどが集まる中、実行委員長の関口市長が「会期の4か月間の中でいろいろな越後妻有の変化を楽しんで」と話し、芸術祭の開幕を宣言しました。
大地の芸術祭 総合ディレクター 北川フラムさん
「ウクライナのニキータ・カダンや亡くなったイリヤ・カバコフなど、海外の良い作家たちが作品を出している。私たちは世界の一員なので、海外の優秀なものを押さえなければならない。まだまだ道遠しだが、これに一緒にかかわってくれた地域の人の理解が進むし、アートによっていろいろな人と繋がれたが、地域が広いので全部の場所でやれないことが残念。地元の人たちも、長い期間やっているので時間があるときに訪れてほしい」
大地の芸術祭 実行委員長 関口芳史 十日町市長
「どこかで作った作品を妻有地域の体育館に展示するのではなく、地域と一緒に作り上げてきたからここまでできた。25年間の先輩たちの頑張りに敬意を表したい。この自信をさらに地域の人に持ってもらいたい。妻有はこんなに来て楽しんでもらっている地域なんだと、子どもからお年寄りまで知ってもらいたい」
大地の芸術祭9回展の会期は火曜日と水曜日を除いた11月10日(日)までの87日間です。作品鑑賞にはパスポートや個別の鑑賞券が必要です。また作品情報やアクセスを調べられ、電子スタンプを集められる公式アプリのほかオフィシャルツアーも用意されています。詳しい情報は大地の芸術祭のホームページをご覧ください。
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