2024年01月17日 09:21更新
上越市西横山集落で450年以上続くユニークな小正月行事、「嫁祝い」と「オーマラ」が15日(月)行われました。このうち「オーマラ」では、コロナ禍以降で最も多い20人以上が参加して、行事が最高潮に達しました。
西横山集落の小正月行事は450年以上前から続くもので、上越市の無形民俗文化財に指定されています。現在、地元の住民やNPO法人などで作る保存会が2日間にわたって行なっています。15日(月)は「嫁祝い」と「オーマラ」が行なわれました。
「嫁祝い」は、西横山集落に嫁いで初めて正月を迎えた花嫁が、集落の子どもたちから祝福されるものです。今年は地元の西横山集落出身と、市内出身の2人の女性が参加しました。このうち、西横山集落出身の女性は去年の夏に結婚しました。女性は子どものころ「嫁祝い」に参加して祝福する側でしたが、今回は自分が祝福される側となりました。子どもたちが祝い唄を歌いながら花嫁を囲み、太刀に見立てたヌルデの木の棒打ち鳴らして子宝を願いました。
少子化の影響で集落には子どもがいないため、行事には少なくとも8年以上前から地元 谷浜小学校の児童などが協力しています。西横山出身の女性は地元たにはま保育園で働いていた経験があり、児童の中には教え子もいました。
花嫁
「顔もみんな知っている子どもたちでうれしい。地元大好きなので育った場所を大切にできる家庭を築きたい。また次の世代に引き継いでくれると思うので、今みたいに続けていければいい」
初参加 古川莉瑚 さん
「思いを込めてお嫁さんを祝えた。きょうみたいに思いを込めてみんなと力を合わせてまたやりたい」
6回目の参加 郷堀 開さん
「6年目。1年生の時から参加。最初は戸惑っている人もいたがみんなで嫁祝いを達成できた。僕たちがやることでいろいろな人に知ってもらい、自分たち以外の人にもつないでいき、この伝統を後世に託していきたい」
西横山小正月行事保存会 和瀬田仙二 会長
「うれしいことに嫁に来てもらったり嫁に出てもらったり、ありがたい歴史が繰り返されている。町内会長 谷浜小学校の校長の協力により催しができた。うれしい」
夜は、行事を締めくくるさいの神「オーマラ」です。集落の男性たちがワラで作られた高さ6メートルのオーマラの周りを、「オーマラ、オーマラ」と声を上げながらたいまつを振り回して頭を叩き合います。オーマラは男性のシンボルとされ、子孫繁栄や五穀豊穣などの願いが込められています。
嫁祝いに参加 花婿
「激しい。顔にやけどしたが祝われた感じ。楽しかった。去年の夏に結婚し、今年新たにスタート。家庭の安全や病気などしないよう、これから頑張っていこうと思い祝ったりした」
中川市長
「西横山の小正月行事、熱があっていい。災害もあったが災難を吹き飛ばして上越市の発展を願った。各地域の人たちが自分の所にある行事を愛し、子や孫に繋がっていく取り組みができると上越市はもっと良くなっていくと思う」
オーマラには集落の男性を中心に25人が参加しました。今年は行事に合わせて帰省した人や集落に縁のある人の知り合いなどもいて、参加者はコロナ禍以降で最も多くなりました。
初参加 地元出身
「毎年見ていて激しさを感じていたが、いざ出てみると全く違い全身全霊で小正月行事を浴びれた。子どもの数減少しなくなりつつある行事。年々やるのが大変になるにつれ価値は高まっていく。なくならないでほしい」
初参加 神奈川から
「この集落でしかできないもの。守っていってほしい」
西横山小正月行事保存会 和瀬田仙二 会長
「今年は若い人がどんどん入ってきてくれた。まだ望みがある。みんなやる気だからつなげられる。やることによって生きていける。来年も再来年も命の続く限り頑張る」
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