2023年07月14日 04:00更新

アルペンスキーの全日本選手権で優勝したあと、3年前に現役を引退した妙高市出身の青年がスキークロスに競技を変えて、2026年のミラノオリンピック出場を目指しています。しかし現実は厳しく、活動費の悩みがありました。アスリート復活にかける姿を取材しました。

写真提供：髙橋さん

髙橋大成さん（26）です。髙橋さんは妙高高原出身。大学4年生だった3年前、アルペンスキーの大回転 全日本選手権で日本一に輝いた実力者です。髙橋さんはそのまま現役を引退。スキーのコーチングなどを学ぼうと大学に再入学しますが、そこで出会った教官たちから新たな刺激を受けます。

髙橋大成さん
「大学の先生にオリンピアンが多くいた。話を聞く中で限界を決めずに取り組む姿勢を学び、もう一度夢を追いかける背中押してもらった」

写真提供：髙橋さん

「オリンピックに出たい！」髙橋さんは、アルペンからスキークロスに競技を変えて、世界に挑戦する決断をします。スキークロスは複数の選手が同時にスタートし、コブやジャンプ台などがあるコースで速さを競います。

髙橋大成さん
「アルペンスキーはターンの精度が要求されるが、スキークロスはウェーブのこなしなど『縦の動き』。自分に合っていた。（スキークロスは）エキサイティング。やる側、見る側のそれぞれが楽しめるスポーツ」

アスリート復活を目指すなか、悩みは活動費です。髙橋さんにはスキークロスでの目立った実績がありません。アマチュアを支えるスポンサーは、そう簡単には見つかりません。

そうした中、去年秋、アスリートと県内企業のマッチングを促すイベントで出会いがありました。富寿しグループを運営する上越市の「宮崎商店」です。宮崎商店は髙橋さんの熱い想いに感銘し、アスリート契約を結びます。

今年春からは、富寿しのホールスタッフとして配膳や接客にあたっています。会社からは給料のほかにスポンサー料が支払われます。

高田駅前店 青山和真 店長
「アスリートらしく元気ではつらつとした接客が、お客さんにうけている。ぜひ『富寿し』のマークをつけて大会に出てほしい、みんなで応援している」

念願のスポンサーを得て髙橋さんは、働きながら一心不乱にトレーニングに励んでいます。

もも裏の筋肉を鍛えるため、130キロの重りでウエイト

目指すは2026年ミラノオリンピックへの出場です。

髙橋大成さん
「再びアスリートとして生きられることに喜びを感じている。まずはナショナルチームへの選出、次にワールドカップの基準を満たすことが自分の通過点。（スポンサーを受けてくれた宮崎商店）感謝という言葉では言い表せない、結果で返していきたい」

髙橋さんによりますと、ナショナルチームに入ると、遠征費用などで年間の活動費は最低およそ500万円かかるということです。そのため髙橋さんは、クラウドファンディングの「キャンプファイヤー」で、支援を呼びかけています。目標額は220万円。期間は今月28日（金）までです。