2021年08月28日 19:57更新
上越市出身の彫刻家、岩野勇三の作品の魅力を身近に感じてもらおうと、高田城址公園に並ぶブロンズ像を清掃する催しが28日に開かれました。
この催しは上越市出身の彫刻家、岩野勇三の生誕70周年記念イベントとして小林古径記念美術館が開きました。高田城址公園の噴水横には岩野勇三の彫刻10点が並んでいます。彫刻はブロンズ製で強度はあるものの、手入れが必要で、例年は学芸員が冬囲いをする前と外した後の年2回、清掃しています。記念美術館の市川高子学芸員は「ずっとそのままにしておくとサビが出来たり、鳥の糞でシミが出来たりする。それをそのままにしておくと、ひどければ穴が開く。時々清掃してあげて、上からワックスをかけて保護してあげることが必要」と話します。
今回の清掃活動には上教大の彫刻研究室などから愛好家3人が参加しました。作業は洗剤と歯ブラシなどを使って細かな汚れを取り、ブロアーやタオルなどで乾かしたあと、蜜ロウワックスをスポンジで薄く塗り延ばします。
参加した女性は「高田の生まれでもなくて、これまで公園のブロンズ像を意識したことなかったが、美術館に行かなくてもあるのはすごいありがたいこと。触れられるし360度見れるし、すごい贅沢」
また神奈川県から参加した男性は「ネットで見て、清掃とかしたことないな、やってみたいなと思ってきた。彫刻は好きであちこちで見ているが、触る機会がない。裸婦像を掃除するとちょっと照れるが、作ったときの感覚がわかる。とても楽しい。あんまりこんな企画はない」と話していました。
市川学芸員は「普段公園の中にある何気なくある彫刻だが、遠くから眺めているだけだと遠い存在。実際に手を動かして触れてみることが彫刻を理解するのに大事なこと。市民の方に公園の中の彫刻と仲良くなっていってほしい」と話していました。
小林古径記念美術館では今後もブロンズ像を清掃する市民参加型の催しを開催したいとしています。
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