2021年02月18日 09:12更新
コメの需要が減り、コメ余りが課題となる中、これからの農業経営に必要なものは何かをテーマにした講演会が16日、上越市の高田城址公園オーレンプラザ開かれました。
講演会は県や上越市、妙高市の主催で開かれ、農業法人の経営者などおよそ100人が参加しました。
講師を務めたのは県農林水産部で農業革新支援を担当する小潟信雄さんです。小潟さんは、これからの農業経営はどうあるべきかをテーマに、はじめに主食用米の現状を話しました。それによりますと、主食用米の国内需要は、今年度693万トン、昨年度より30万トン少ない見込みです。
こうした中、県は来年度の主食用米の生産目標を今年度より7万5000トン少ない52万トンとしています。
小潟さんは、主食用米だけに頼っていてはだめだとして、加工用米や飼料用米、大豆などへの生産転換を訴えました。
続けて、生産コストを下げることは避けられないとして、ドローンやICTを活用したスマート農業化を進めることをあげました。
さらに、集落ごとの農業法人が連携した体制が必要だと訴え、その成功事例として、山口県が200以上ある集落営農法人を24の連合体にまとめたことを紹介しました。その結果、農地の大規模化で低コスト化やコメ以外の新規事業、さらに農大を卒業した若者の就職など、担い手の定住促進につながったということです。
16日は上越地域でこのような連携を図るためには誰が旗振りの役割を担うかが、話し合われました。
農業革新支援を担当する小潟信雄さん
「収益の柱づくりをしないと生き残る道はない。従来のやり方を変えましょう。法人間連携では、中心人物のモチベーションアップが大事。誰かがやってくれるではなく、やる人をみんなで応援しましょう」
参加者
「法人の連携はJAや行政が主体となって、仲間になってやっていかないと地域の農業は守れない」「清里全体をひとつの農場にしようと進めている。今後はそれぞれで困ったときにすぐバックアップできる体制にして、清里というひとつのエリアを守っていきたい」
令和元年度の総務省による家計調査では、1世帯あたりのコメ消費の年間支出額はおよそ2万3000円。麺類はおよそ1万8000円。外食はおよそ17万7000円となっています。
講演会では、これからの農家は、コメ作りだけに頼らない、いわゆる農産物の総合商社を目指す必要があるとの指摘もありました。
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