2020年12月04日 19:29更新
中小企業庁が選ぶ今年の「はばたく中小企業小規模事業者300社」にこのほど、上越市と妙高市からウエノテックス、室岡林業、コネクテックジャパンの3社が選ばれた。
「はばたく中小企業小規模事業者300」社は、中小企業庁が様々な課題を独自のアイデアや技術で解決している企業を毎年選ぶもの。今年は妙高市工団町にある半導体、電子部品製造のコネクテックジャパン。上越市からは産業用廃棄物処理の破砕機などを製造する柿崎区のウエノテックスと下荒浜にある室岡林業が選ばれた。
このうち昭和55年創業の室岡林業は、土木工事や土壌改良に使う丸太杭を主に生産している。今回の選定では、丸太杭の量産システムを確立し、安定供給と納期短縮できる体制が評価された。それを可能にしているのが丸太の先端を削る作業と面取りの作業を同時に行う大型機械。1分1本以上の早さで生産が可能という。
同社の室岡大蔵代表取締役社長は「お客の注文をもらってから作っていたのでは駄目。すぐ欲しい人に届けられない。在庫を置く以上コストがかかるが、生産性が高まったことでお客の利便性も高まっていて、自社を選んでもらえる基準となっている。痛みを伴わなければお客から選ばれない。中小企業ならなおさら」と話す。
またウェブサイトを通じた情報発信にも力を入れていて、同業他社のサイトがプロフィール紹介だけに留まる中、商品情報や導入事例を分かりやすく紹介している。その結果、全国から問合せが寄せられるようになったという。中には赤倉でペンションを経営するオーストラリア人から雪国特有の根まがり材を使ったオリジナル家具の注文もあった。
室岡社長は今回の選定と今後の展望について「大変光栄であるが、我々としてはその時々で必要なことをやり、積み重ねてきたものの結果。いま顧客のニーズは多様化している。中小零細企業はすき間を狙った、ポイントを絞ったお客さんに、訴求するべきサービス・モノで勝負していけば業界の先は明るくなる」と話している。
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