2018年07月17日 16:52更新

妙高市から上越市まで総延長26㎞にわたり田畑を潤す上江用水路。その開削に力を尽くした下鳥冨次郎が祀られている上越市三和区の上江北辰神社で17日、豊作を祈る例大祭が行われた。 

例大祭には関川水系土地改良区の他、三和区や保倉地区の農家が集まり、今年の豊作を祈願した。上江用水路は17世紀の終わりには妙高市から清里区周辺まで開通していた。しかし、それ以降80年ほどは延長が無く、三和区川浦地区などの農家は水不足に苦しんでいた。

神社に祀られている下鳥冨次郎は、240年ほど前、清里区から三和区までのおよそ10キロに渡って上江用水路の延長工事を完成させた。冨次郎はその功績によって上江北辰神社に祀られた。

関川水系土地改良区の下鳥芳男理事は、「冨次郎は雲の上の人の存在。私財や田畑を売り払って延長工事をしてくれた。…いなかったら、今のこのあたりの発展はなかった」と話す。

上江用水は今年春、板倉区にある東北電力の発電施設が地すべり被害を受けたため、いわゆる「番水」、取水制限が続いている。

 関川水系土地改良区の永井紘一理事長は「今一番水を必要としている中、迷惑をおかけしているが、間に合わせられるよう努力する」と話した。

上江用水が延長されなかった時代には水争いもあった。冨次郎は祖父や父の志を受けつぎ、利害関係のある農家から命を狙われながらも延長工事をやり遂げたということ。

※2018年7月17日（月）ニュースLiNKで放送　初回18:30~