2024年12月02日 12:18更新
電話でうその話を持ちかけられた上越市在住の30代女性が、暗号資産3841万円相当をだまし取られたことが12月2日(月)までに分かりました。警察では特殊詐欺事件として捜査を進めています。
警察によりますと、今年10月2日、上越市在住の30代女性の自宅に厚生労働省の職員を名乗る男から電話があり、電話に出た60代の母親に「あなたの保険証が使えなくなる」と言われ、女性が電話を代わったところ「病院で薬が不正に処方され、保険証の名義人があなたの母親だった。保険証が不正に利用されている可能性があるため、被害届を出さないといけない。警察と代わる」などと言われました。
そのまま仙台中央警察署の警察官を名乗る男に代わり「保険証の不正利用で犯人を逮捕した。犯人はマネーロンダリングをしていて、あなたたちも関与している疑いがある。今後の連絡はアプリでやり取りする」と言われ、指定されたSNSのアプリケーションをダウンロードしました。そのSNSを通して音声通話があり、警察官を名乗る男や検事を名乗る男から「嫌疑を晴らすために、あなたたちの資産を調べる必要がある」、「ネットバンキングで暗号資産を購入して、指定のアドレスに送金してください。調査が終わったら返金する」と言われ、ネットバンクの銀行口座の新規開設や暗号資産取引用のアプリケーションのダウンロードを指示されました。
女性は10月29日までの間、検事を名乗る男などから「全財産を調べる必要がある」と指示されるがまま、7回にわたって合計3841万円相当の暗号資産を指定されたアドレスに送信し、だまし取られました。
その後、女性は本当に返金されるのか不審に思い、厚生労働省のホームページを確認したところ、同様の詐欺事例が掲載されていたことから被害に気付き、被害届を出しました。
今年、上越警察署管内で特殊詐欺の被害届が出されたのは10月末現在10件で、被害総額は573万円です。今回の被害は今年もっとも多い被害額でした。
警察では、警察官などが電話で住民に対して「あなたの嫌疑を晴らすために資産を調べる必要がある」、「資産の状態を確認するために暗号資産を送金してください」と依頼することはあり得ません。不審電話は毎日のように不特定多数の家にかかってきています。他人事ではありません。不審電話があった場合は周囲の人や警察に相談するよう呼びかけています。
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