2024年10月30日 16:10更新
スマートフォンの普及やインターネットが学校の授業で活用されていることなどを受け、小中学生が携帯電話を持つことを禁止した妙高市の提言が16年ぶりに見直されることになりました。
これは29日(火)に開かれた、学校長やPTA会長などでつくる「スマホ所持に関する検討会議」で決まりました。提言は原則、小中学生に携帯電話を持たせないため16年前の2008年、妙高市の教育委員会や校長会がまとめました。
当時、市内の小中学校でインターネットでのいじめやトラブルが相次いだためです。提言はあくまで呼びかけで強制するものではありません。
しかし16年が経過し、スマートフォンが幅広い世代に普及し、小中学校の授業でインターネットの活用が広まっています。こうした状況を受け、教育委員会では実態を把握するため夏休み期間中、小中学校のすべての保護者を対象にアンケートを行いました。
その結果、スマートフォンの所持率は小学生が10.3パーセント。中学生が半数以上の53.5パーセントでした。
理由は「すぐに連絡が取れるようにしたい」、「友達とのやり取りに必要」などです。
一方で、持たせない理由は「影響がない」、「自己管理できないから」などと答えています。
また、提言の見直しについて尋ねたところ「持たせるか持たせないかは、家庭の方針であり、市が方針を示すのはおかしい」、「良いところ悪いところをしっかり伝えて持たせる」など賛成意見が多数寄せられたということです。
一方で「トラブルが心配」など否定的な意見も寄せられました。この結果を受けて検討会議で、時代の変化にあわせて提言を見直すことにしました。
あわせて提言にはスマートフォンは「保護者の管理下で所持する」ことや「デジタル技術を正しく使えるよう導く」ことなどが盛り込まれる見通しです。
妙高市の塚田賢教育長は「アンケートで貴重な意見をいただき良かった。子どもたちが切ない思いや悲しい思いをすることができるだけ少なくなることを願う」と議論を見守っていました。
検討会議では今後、児童や生徒から意見を聞き、提言の見直しを来年末までにまとめる方針です。
塚田教育長は「使うのは子ども自身。納得したうえでよりよい使い方を決めていてくれれば良い」と話していました。
検討会議のメンバーで上越教育大学大学院の榊原範久教授によりますと、中学生のスマホ所持率は、全国平均で80パーセントだということです。
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