2023年12月05日 15:59更新
医師不足が続いていた上越市の新潟労災病院が、令和7年度中に閉院することが決まりました。これに合わせて、県は労災病院の医療機能を、県立中央病院や上越総合病院など市内6つの病院に移して再編し、切れ目のない医療につなげる考えです。
これは4日に開かれた上越地域医療構想調整会議で明らかになりました。
労災病院は、常勤の内科医がいなくなるなど、医師不足が深刻な状況でした。また稼働している病棟は昨年度106床と、5年前の半分以下になっていました。このため労災病院は、いまある手術、入院、外来などの医療機能を市内6つの病院に移したうえで、令和7年度中に閉院することが決まりました。
県が示した再編計画によりますと、救急搬送など急性期の入院は、県立中央病院と上越総合病院がそれぞれベッドの稼働率を上げ、受け入れます。
回復期のリハビリ入院は、上越地域医療センター病院を中心に、知命堂病院、県立柿崎病院、さいがた医療センターが受け入れます。
一方、労災病院では手術が令和4年度には1500件以上、行われていました。このうち手術の3分の2を占める整形外科と10件ほどの脳神経外科の手術機能を、県立中央病院と上越総合病院が、手術室の稼働率を上げるなどして対応します。会議では、こうした計画案が県から示され、了承されました。
新潟労災病院 傳田博司 院長代理
「(閉院に向け)離職者が増え、(診療)段階的に縮小することになるが、可能な範囲で引き続き診療を続ける」
一方、労災病院で460件ほど行っていた歯科口腔外科の手術機能は、地域医療センター病院に移される計画です。病院を運営する上越市からは、現在、歯科口腔外科がないことや今後、建て替えが控える中で、どのように受入れ体制を整えていくかが課題になるという声が上がっていました。
上越市健康福祉部 小林元 部長
「地域医療センター病院に歯科部門は無い。未知の部分。改築を控えていて、大規模な設備投資がしづらい。(改築)待たずに歯科口腔部門を受け入れなければならない。いろいろな工夫、金銭的な検討も必要になる」
県では今月、上越市と糸魚川市で説明会を開いて、再編計画の内容を住民に説明することにしています。また今後、再編に合わせた施設整備や労災病院の医師やスタッフをどの病院に移すかなど検討を進めることにしています。
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