2023年06月22日 13:07更新
医師不足が続いていた上越市の新潟労災病院が、閉院する見通しとなりました。県は、病院の機能を市内5つの病院などに移して再編することで、切れ目のない医療を確保する方針です。
これは21日に開かれた上越地域医療構想調整会議で明らかになりました。労災病院は、昨年度の常勤医師が11人と、5年前の平成29年と比べ7人減りました。さらにことし4月からは常勤の内科医がいなくなり、医師不足は深刻な状況でした。
また稼働している病棟は、8つのうち2つのみとなり、昨年度の病床数は106床と、5年前の半分以下です。それに伴い、患者の数は昨年度、約3万2500人と5年前より4割ほど減りました。会議ではこうした状況が報告され、県は労災病院の機能を県立中央病院や上越総合病院など市内5つの病院を中心に再編、集約する案を示しました。その後、労災病院は閉院することになります。
会議には、労災病院を運営する労働者健康安全機構をはじめ、再編・集約先の病院関係者が出席し、県の案が了承されました。
上越総合病院 篭島充 院長
「課題は再編の障害ではなく、再編の実現のために乗り越えるべきもの。高田・直江津が合併したまち。全員で力を合わせれば実現できる。地域の医療を守るためにしなければならない」
会議では再編などの具体的な時期は示されませんでした。県は、どの病院がどの機能を受け継ぐのか検討を進め、年度末に一定の方向性をまとめることにしています。
新潟労災病院 傳田博司 院長代理
「(地域や患者に)不安を与えることになる。将来、この地域の安心できる医療を提供するために必要なことを丁寧に説明し、理解をいただきたい」
なお、新潟労災病院の人工透析機能は、来年4月、上越総合病院へ移される予定となっています。
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