2023年06月04日 00:00更新
皆さんは、身近な町内で活動している民生委員のお名前やお顔が分かりますでしょうか?独り暮らしの不安や介護福祉の困りごとなど、どうしたらよいか分からない時に頼りになるのが民生委員です。では、実際にどんな風にお仕事しているのでしょう?上越市直江津地区で2人の委員を取材しました。
町内会長と話しているのは、民生委員の丸山ゆみ子さん74歳です。丸山さんは、委員になって10年目のベテランです。日頃から町内会と連絡を取り合って、困っている住民はいないか気にかけています。
丸山ゆみ子さん
「やはり町内は町内会長が中心。連携をとった方が、町内の皆さんが安全に守られると思っている。(委員になったのは)前任者から声をかけられ、せっかくここに住んで町内に世話になっている。委員になれば少しは役立つかと」
民生委員は、町内会からの推薦を受けた無報酬のボランティアです。お年寄りや障がいのある人、生活に困っている人などの相談に乗り、その内容にあわせて市や社会福祉協議会などにつなぐ橋渡し役です。そのため、民生委員に欠かせないのが「聞く力」です。
こちらは、森山金三さん72歳。民生委員になって4年目です。この日は、お年寄りの家を回って熱中症に気を付けるよう呼び掛けていました。
地域の人
「去年は、熱中症で病院に行った」
森山金三さん
「それを注意したくてきょうは来た。年寄りはのどが渇いたのが分からない。トイレが近くなるから水を飲まない、脱水症状の方が怖い」
地域の人
「まわってきて、生きてるか死んでるか聞いてくれるだけでもありがたい。1人だとかぜを引いても水をくれる人もいない。自分で取りに行くのは大変で『いいや』となってしまう」
市によりますと、委員が受ける相談の6割がお年寄りに関係するものです。そのうち3割弱が、買い物の代行やゴミ出し、通院の付き添いなど「日常的な支援」です。ただし、委員がサポートするのは、代わりの手段がなくやむを得ない場合に限ります。
さらに、あわや住民がトラブルに巻き込まれるのを防ぐこともあります。
独り暮らしの女性は、自宅に不用品を買い取るという電話があり、つい訪問を約束してしまいました。女性は不安が募って森山さんに連絡。森山さんは自宅に駆けつけ、直ちに電話に不審者対策の留守電機能をセットしました。すると…
森山金三さん
「(買取の)車が来て車内から電話してきたが、(相手は)留守電になり切った。行って良かった」
地域の人
「独り暮らしで、すぐ『森山さ~ん』と頼って来てもらっている。何でも細かく丁寧に教えてくれていい人。ありがたい、だから一人でいられる」
住民にとって頼もしいばかりの民生委員。しかし、上越市では定数437人(主任児童委員含む)のところ、きょう現在422人と15人の欠員があります。委員の居ない空白地域はどうなっているのでしょうか?
上越市福祉課 佐藤令一さん
「町内会に協力してもらい、必要な情報を回覧したり、市の担当課(職員)が直接連絡や、必要に合わせて訪問している」
丸山さんはこの日、オレオレなどの特殊詐欺に用心するよう呼びかけていました。チラシを受け取ったお年寄りは「電話のところや玄関に貼っておく。ここまでの文書を作ってもらって、もう忘れられない。ありがとね」と笑顔で話していました。
人口減少と高齢化で、住み慣れた町が縮んでいく… 誰もが大なり小なり不安を感じています。
上越市福祉課 佐藤令一さん
「民生委員が地域にいる安心感。困りごとなど相談を受けたときに、行政などと橋渡し役をしてもらえるのはありがたい」
丸山ゆみ子さん
「民生委員って何をするんだろうと思っていたが、(役目は)ただ橋渡し。難しいことはない。せっかく回っているので『おかげで助かった』ということが多くあるとうれしい。人の役に立つっていいね!」
森山金三さん
「活動は、大変なことはない。同じ町内の人なので、『元気かね』『きょう暑いね』など気楽にやれれば」
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