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優美なレースを次の世代へ バテンレースに魅了された地域おこし協力隊員

2022年05月28日 04:00更新

かつて雪国高田の伝統産業だった「バテンレース」。その技を受け継ごうと去年、九州から雪国に飛び込んだ女性を取材しました。

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香田真由子さん(30)です。編んでいるのはバテンレースです。

香田さんは佐賀県出身。福岡県でニットの洋服を作っていましたが、元々レース編みに興味があり、上越市のバテンレースを知って見学会に参加。なんと、その3か月後には移住してしまいました。

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香田さん
「初めてバテンレースを見たとき、とても繊細で美しいと思った。テープを型紙をあてて作るレースは他にない。こんなに素敵なものが途絶えてしまうのはもったいない」

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バテンレースは「ブレード」と呼ばれる布テープで輪郭をつくり、型紙に合わせて模様を縫っていきます。高度な職人技が要求されます。

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香田さんは現在、上越市の地域おこし協力隊としてバテンレースの技の継承に取組んでいます。師匠は吉田節子さん(71)。この道50年以上の大ベテランです。香田さんは吉田さんに弟子入りし、手とり足とり、基礎から学んでいます。

吉田さん
「バテンレースは独特なもの。かぎ針でやるのかなどよく聞かれるが、特徴が分からず最初は大変だったと思う」

香田さん
「(吉田さんとスピードは?)全然違う、吉田さんと倍は違う。目指すは吉田さん!」

吉田さん
「数を作りコツを把握して身につければ、きれいで早くなる。(香田さんは)一つ一つ丁寧な仕事をする人。」

香田さん
「想像以上に技術がいる…」

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バテンレースは、かつて雪国高田で130年以上続く基幹産業でした。冬の貴重な収入源として多い時は人口の3分の1が関わったといいます。

香田さん
「冬を上越で過ごして、雪が数センチ積もっているのを見ただけであたふた。昔はたくさん雪が降り家から出られない日が続いて、(この地で)バテンレースが栄えていったことを感じた」

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しかし、バテンレースは時代の流れととともに衰退。現在製造しているのは、吉田さんが3代目をつとめる1店だけです。

吉田さん
「私も70歳を超えて、最後の仕事として若い人に教えたい。若い人と接することで、気持ちも若くなって喜んでいる」

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ふたりが仕事するこの場所は、昔ながらの町家「旧今井染物屋」です。上越市が手仕事を体験できる観光施設としてリニューアルし、オープンから一年で1万人以上が来館しました。

吉田さんと香田さんは、案内役として体験指導にあたっています。 

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体験に来た人
「バテンレースは繊細でかわいい。洋服などにも取り入れていて、今の時代にも十分受け入れられる伝統産業だと思う」

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香田さんは、技の継承だけでなくバテンレースの魅力を広く発信し、次の世代にアピールしたいと考えています。

香田さん
「上越市に来て、バテンレースの継承、発信をしていくことにはとても責任を感じている。ここに来てから、吉田さんのバテンレースを途絶えさせたくないという気持ちの強さを知った。その気持ちを私が受け継ぎたい」

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