2021年11月07日 19:05更新
25年ぶりに独自の防災計画を見直している上越市島田と島田下新田の2つの町内が7日、計画の完成に向けて避難訓練を実施し、要支援者の支援体制を確認しました。
上越市島田と島田下新田の2町内は関川沿いに位置し、平成7年の7.11水害で大きな被害を受けました。大雨や台風による大規模な水害が全国で相次いでいることを受け、上越市の地域活動支援事業を活用して防災コンサルティング専門の会社、国土防災技術高田事業所に協力を依頼し、25年ぶりに防災計画を見直しています。
今回の避難訓練は計画の最終確認を兼ねたもので、災害が起きたときに町内で災害対策本部を運営する住民30人のほか、地元の消防団や防災士が参加しました。
国土防災技術の大沼乃里子課長補佐は訓練のポイントについて「今回はじめての水害の避難訓練。まずは対策本部がきちんと立ち上げられて、参集して避難判断が出来るか。もうひとつは要支援者の避難を支援して安全に避難場所に辿り着けるかどうか」と話します。
訓練では大雨警報や河川はん濫情報が出たシナリオを基に、災害本部がパトロール中の消防団からの情報を確認し、避難誘導の指示を的確に町内に伝えること。さらに高齢者など避難の支援が必要な人の所在や状況を確認し、車で避難所に送り届けるまでの役割や手順を実際の動きで確認しました。2つの町内では現在、105世帯364人の住人がいますが、高齢化率は42%以上。避難行動要支援者は48人にのぼります。
訓練に参加した島田下新田の住民は「地域に要支援者がどれだけいて、いまどういう状態か事前に把握していく必要がある。それがちょっと難しい。現状は10名位いることは分かるが、実際今現在その人たちがどういう状態か把握できていない。地域の班自体はそれほど多くないので走り回ればいけると思うが、大雨の時にできるか。町内の役員と連携取りながらしっかり把握したい」と話していました。
国土防災技術の大沼さんは「初めてにしてはスムーズにできていたが、本番はシナリオどおりにいかないので
臨機応変な対応が必要になる。歩いて要支援者を大雨の中、迎えに行くのは難しいので原則は車。迅速に安全に避難できる方法をとってほしい。本部機能では警戒レベル3の段階で避難呼びかけが弱かったので計画でも改善したい」と話していました。
島田町内会の佐藤重幸会長は「訓練の基礎が出来た。これを地域全体の避難訓練につないでいければ。課題とすれば夜間。日中も勤めている人もいる。高齢者をどう導くのかが課題。これは経験積むしかない。新しいモデルになるか分からないが、これからの努力。やらなくては意味はないので継続反復するのが訓練の意義」と話していました。 2町内では今回の結果を基に、改善点を見直し年内に独自の防災計画を策定する予定です。
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