2021年09月16日 15:49更新
上越市内で新型コロナウイルスなどに感染する子どもが増えている中、病気で保育園や学校に通えない子どもを預かる上越市のわたぼうし病児保育室は14日から、屋外で抗原検査ができる施設を設置しました。また、保育室の利用が定員超過となることもあり、今週、施設の増築工事が始まりました。完成したら、感染症の子どもを預かって隔離する部屋としても活用するということです。
上越市栄町の塚田こども医院に併設されているわたぼうし病児保育室です。
保育室では、市内で新型コロナウイルスに感染する子どもが発生している状況の中、熱のある子が施設を利用しようと訪れた場合、屋外で新型コロナの抗原検査を受けられる施設を医院の入り口に設置しました。
15日の朝はさっそく検査を受ける子どもの姿がありました。
「T」に黒いバーが出れば「陽性」 何も出なければ「陰性」
検査結果は車で待ちます。15分後、陰性が確認されたら、保育室を利用することができます。
利用者
「上の子が(夏かぜの)ヘルパンギーナで、下の子がきょう発熱してしまった。祖父母に協力してもらうことができるが、負担になるのも申し訳ない」
15日は熱などの症状がある子ども4人が検査を受け、全員陰性で施設を利用しました。
心配なのはコロナウイルスだけではありません。この夏、上越市内では乳幼児など小さい子どもがかかりやすい「RSウイルス」が大流行しました。保護者が共働きで子どもが保育園に行けないケースなどが増え、わたぼうし病児保育室では、多い時には、定員25人の倍近い人数を受け入れる日もありました。
塚田次郎院長
「あまり多くなると子どもたちの環境が『密』になる。あまり良い状態ではない。子どもの病気はすぐに始まる。大人は急に(仕事を)休むことはなかなかできないので、そこに病児保育室の必要性はある」
これをきっかけに、塚田院長は保育室の増築を決めました。保育室の南東側にあった庭に8坪ほどの部屋をつくります。これで定員は30人に増えます。また、感染症の子どもを隔離する部屋としても使うことができます。
塚田次郎院長
「今は感染症の『RSウイルス』『ヘルパンギーナ』がいる。発熱、下痢のお子さん、いろいろいるので、できるだけ隔離した方が良い。そのためのスペースは増やせる」
利用者
「7月にRSウイルスの流行があった。すぐに預けられる状況が私たちも安心」
工事は13日に始まり、費用はおよそ1200万円です。増築部分は12月から利用できる予定だということです。
塚田次郎院長
「子どもが元気で楽しく過ごせる環境は地域にとって『宝』。しっかり子育てできる環境を整えたい」
わたぼうし病児保育室が増築するのはこれが3回目です。元々は、20年前の2001年、塚田こども医院の2階を利用して始まりましたが、当時の定員は4人でした。その後、利用が増えていき、2004年に独立した保育室が併設されました。
病気で登園や通学ができない生後3か月から小学6年生の子どもを預かる市内で唯一の施設として、2008年からは市の委託を受けています。現在の受入れ数は年間およそ4000人です。
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