2021年09月10日 17:02更新
上越市立水族博物館うみがたりで、イルカの飼育環境を改善するために、この夏にプールに設置した日除けが、狙い通り効果があったことが分かりました。水面付近の気温が日向と日陰で最大3度の違いがあったということです。
うみがたりは、オープンからわずか2年の間に4頭のイルカが死んだことを受け、飼育環境の改善に取組んでいます。今年7月には、プールにあたる夏の日差しをやわらげ、水面近くの気温上昇を抑えようと、幅13メートルほどの日除けを設置しました。
市によりますと、日除けの効果は明らかで、8月2日には、高田で最高気温33.5度を記録する中、水面近くの日向と日陰の差が最大3度となったことが確認されました。
また、去年12月中旬から今年4月まで、北風の吹き込みを防ぐため、プールの水位を1メートル下げて、気温が下がり過ぎないよう図りました。結果、1月15日には、高田の最低気温がマイナス1.6度だった中、イルカステージと水面近くの気温差が最大8度になったということです。
イルカの死因を調べた検証委員会は、上越市の夏の暑さや冬の寒さなどが、イルカがもともと飼育されていた横浜・八景島シーパラダイスより厳しく、それがイルカのストレスを高め、免疫力が低下したと指摘しています。
今回の結果について、市では、外気による気温変化の差が抑えられたことで、イルカの健康維持につながっていると見ています。
上越市教育委員会の市川均教育部長は、9日に開かれた上越市議会で「現在いる2頭のバンドウイルカは良好な健康状態を保っている」と報告しました。
今後、市では冬の風の吹きこみをさらに抑えようと、イルカプールの北面に幅およそ20メートル、高さ1.7メートルほどの防風ネットと西面の手すり部分にガラス製の防風壁を11月までに取り付ける予定です。
Copyright (C) 2016-2023 上越妙高タウン情報 All rights reserved.