2019年09月16日 00:00更新
「Pマーク」を知っていますか?
これはプライバシーマークと呼ばれ、個人情報を適切に扱っていると審査機関に評価された事業者だけが使えるマーク。
この認証を7回更新したとして、上越市西城町の株式会社ジェーミックス(JMiX)がこのほど、制度貢献事業者表彰を受賞した。同社では地元地域で情報セキュリティ管理の意識がまだ薄いとして、地域全体に普及することに期待を寄せている。Pマークは個人情報を保護するための方針、体系、計画、実施、点検を含むマネジメントシステムを進めている事業者に対し、日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が付与する制度。一般の人から見て、企業がこのPマークを使っているかどうか、その企業の情報管理に対する安心の目安となる。Pマークの使用が認められた事業者は、システムがきちんと運用されているかJIPDECによる2年に1度の審査がある。
ジェーミックスは2006年にマークを初めて取得し、今年6月に7回目の更新を迎え、JIPDECから制度貢献表彰を受賞した。JMiXは事業所を対象にしたICTサービス提供やデータ管理など環境設定整備や、教育現場でのICTサポートなどを展開している事業所。同社では独自の個人情報保護方針を作り、顧客の情報の取扱いをルール化している。一例として、同社に来訪する人には、事務所に入る前に氏名や要件などの記入を求めている。これは万が一、個人情報の漏洩があった場合、第三者がどういう許可で入ったのか記録を残し、外部侵入者による可能性があるかの見極めに使う。
この記入用紙にもこの情報を第三者に公開しない旨の文言を記している。さらにこれらの個人や会社の機密情報が第三者の目に入らないように厳重に保管している。
約15年にわたりPマーク使用が認められてることについて、同社の上野幸宏専務は「 社員一人一人が情報の取り扱いを認識し、ルールを守らなくてはいけないと認識することが大事」と話す。同社では年に一回、社員に個人情報取扱いのトラブル事例や情報セキュリティの漏洩に関する事例を情報展開し、自主研修によって理解度を確認している。
JIPDECの公表する資料によると、2018年度末で全国16,275社にPマークが付与され、業種別ではサービス業が最も多く、全体の4分の3を占めている。新潟県内では125社に付与される一方で、Pマークを取得している上越市内に本社を置く会社はJMiXを含め7社。妙高市は1社しかなく、地元企業で情報セキュリティ体制を強化していく意識は薄いといえる。
上野専務は「各企業は顧客の情報を管理していると思うが、それは自己流のルールで、はたしてそれが全て合っているのか。事故が無い限りまずいというところに気づかないのが実情。ルールが規格に沿っていればその漏れはつぶせる。その中で体制を構築して運用していくことが大事」と話し、各事業所でのルール作りを促している。
「Pマークを取得していることは、お客さんにとって一番の安心事項。入札や取引で、認証資格があるかどうかが判断基準になったり、仕事をもらうときに優位になるときがある。各企業によってPマークを取ることは目標になるかもしれないが、最も大事なことはPDCAをまわし、それに準じた形のシステムや組織、運用方法を固めること」とし、情報化社会への対策が地元企業に進むことに期待していた。
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