2019年02月06日 13:53更新
行政が持っている各種統計や人口などのデータをだれでも自由に利用できる「オープンデータ」を使って、行政サービスやビジネスに活かそうという取組みが上越市で始まっている。
4日に上越市で開かれたオープンデータの活用事例発表会で、春日新田にある丸互が開発した避難所情報分析アプリが紹介された。このアプリは、災害がおきたとき、どこの避難所に何人が避難できるか、何人分の食料が何日分あるかなどをシミュレーションできる。例えば、ある避難所に想定以上の住民が身を寄せた場合、負荷の少ないほかの避難所への移動プランや備蓄食料の効果的な配送ルートなどをすみやかにシミュレーションできる。
説明によると、年齢や性別などが細かく記載された要援護者情報や住民基本台帳を利用すれば避難所で必要なミルクやオムツ、生理用品の必要数を割り出せるという。
このアプリを開発するとき、欠かせないのがいわゆるオープンデータとよばれる行政情報だ。上越市がホームページには、産業別の統計や人口・世帯数をはじめ市民アンケート調査、新幹線の利用状況まで、50以上のデータがすでに公開されている。
4日の発表会は、こうしたオープンデータの利用を促進する目的があり、行政や丸互など地元の企業が参加した。
企画したのはNPO法人「上越地域活性化機構」通称「オラジャ」。オラジャではオープンデータの利用がなかなか進まない現状があるとして、もっとスムースにデータを使える環境づくりを呼び掛けている。
オラジャの宮下壽幸 専務理事は「オープンデータの多くは、変換しなければならず手間がかかる。統一したフォーマットで即使える環境をつくらねばならない」と話す。
発表会に参加した行政の担当者は、オープンデータを使うと行政課題の解決に役立つと評価したうえで、今後、上越市、妙高市、糸魚川市でフォーマットの統一を進める考えを示していた。
宮下専務理事は「できれば県全体の情報センターを作りたい。こうした発表会を機会にエリア拡大すれば不可能ではない。県とも協力して進めたい」と今後の展望を見据えている。
※ご覧の記事の内容は2019年2月6日(水)JCVニュースLiNKで放送(TV111ch) 初回18:30~
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