2023年11月20日 17:42更新
春日山城跡と埋蔵文化財センターの間を一般車両が入れないようにして、代わりに観光向けのシャトルバスを走らせるという計画を、上越市が検討していることについて中川市長は20日(月)、この計画は地元からこの一帯を神聖なエリアにしてイメージを高めたいという要望を受けて作ったものだと明らかにしました。これに対し、春日山の観光に50年以上携わってきた観光関係者は「神格化は逆の発想、観光客は春日山を気楽に身近であってほしいと考えているはず。考え直すべき」と指摘しました。
市長の発言は、20日の定例記者会見で示されました。上越市は観桜会や海水浴場などの季節型観光からの脱却を目指し、通年で観光できるエリアを春日山、直江津、高田の3地区を中心に整備する計画づくりを進めています。
このうち春日山については、春日山城跡と埋蔵文化財センターの間を一般車両が入れないようにし、その代わりにシャトルバスを走らせて神聖なエリアとしてブランドイメージを高めるとしています。これについて中川市長は、地元の要望を踏まえたうえで計画を考えたと話しました。
中川市長
「地元の主たる人たちと意見交換、対話集会もしてきた。春日山城の『神格化』、特別な区域として捉えたい。駐車場が少ないので、シャトルバスで送る」
市長が地元の要望を踏まえたと発言したことについて、謙信公祭に50年以上、実行委員として携わり、上越観光案内協会の会長を務める永見完治さんは、次の様に話しました。
上越観光案内協会 永見完治 会長
「わざわざシャトルバスを設けて『神格化』するのは違う。机上で『神格化』すると考え、春日山が浮上するというのは『ない』」
そのうえで、「神格化」は観光客を遠ざける逆の発想だと指摘しました。
上越観光案内協会 永見完治 会長
「(私にも)逆の発想という声が寄せられている。決まった時間にバスで上がるというふうに限定すると、かえって観光客の気持ちが遠くなる。通年観光には、そぐわない」
そのうえで春日山を訪れる観光客の思いをこう話しました。
上越観光案内協会 永見完治 会長
「気楽に、身近に自分たちの憧れの謙信公、春日山城跡というのが観光客の願いではないか。考えを見直すべきだ」
上越市は、年明け1月に通年観光計画の最終案を発表することにしています。
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