2022年09月21日 17:05更新
上越市の沖合で海底に眠る次世代エネルギー資源、メタンハイドレートの調査が今月から始まりました。目的は、海底地盤の強度を確認することで、その結果がメタンハイドレートをどう採掘するかに生かされます。
メタンハイドレートは天然ガスの主な成分と水分子が低温、高圧状態で結晶化したもので、氷の様になっています。火を近づけると燃えることから「燃える氷」と呼ばれています。
上越沖には、これまでの調査でメタンハイドレートが約6億立方メートル、国内で消費される天然ガス2日分の量があると推定されています。 調査している場所は上越市名立区の沖合、約40キロ地点で、上越海丘と海鷹海脚と呼ばれる2か所の海域です。メタンハイドレートの採掘・生産を目指し、去年から本格的な調査がはじまり、今月17日からは6回目に入りました。
産総研 天満則夫 博士
「酒田沖、上越海鷹海脚、丹後半島をモデル海域にして調べている」
調査に取り組んでいる産業技術総合研究所、産総研によりますと、上越沖のメタンハイドレートは「表層型」と呼ばれる比較的浅い海底にあり、砂と混じりあっています。調査には地球深部探査船「ちきゅう」を使い、水深900メートル以上ある海底の地盤を掘削し、泥や岩石を取り出します。
産総研 天満則夫 博士
「どれくらいの掘削工事になるか。地盤強度は硬い・軟らかい・混合か。強度によって工事方法・設計が変わる可能性がある。まずは把握する」
産総研 鈴村昌弘 博士
「1か月前・1か月後に調査。漁業、水産生物、生態系に影響あるか押さえたい」
ロシアによるウクライナ侵攻などエネルギーの供給が世界的に不安定になる中、メタンハイドレートは安定して供給できる国産のエネルギー資源として注目されています。
産総研 天満則夫 博士
「自前の国産エネルギーとして研究開発を進める必要がある。期待に応えられるように、データを取りまとめたい」
経済産業省では、2027年度までに民間企業が生産を始められるよう、目標を掲げています。上越沖での調査は今月27日までの10日間行われています。
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