2022年03月09日 16:48更新
歯ブラシが買えずに、虫歯で命を落とすことが無いよう、フィリピンのスラム街の子ども達を救おうと、上越市立有田小学校の児童が、歯ブラシ200本以上を集め、8日にフィリピンでボランティア活動している市内の羽尾歯科医院春日山に届けました。
段ボールに入っているのは未使用の歯ブラシ、そして、清潔なタオルです。これはすべてフィリピンのスラム街で暮らす子どもたちに届けられます。歯ブラシとタオルは、有田小学校のボランティア委員会が全校児童によびかけて集めました。
そのきっかけは、去年秋、6年生が市内にある羽尾歯科医院の羽尾博嗣院長から、フィリピンのスラム街について話をきいたことからはじまりました。スラム街では、食費を優先して歯ブラシを買う余裕が無いため、子どもたちに歯みがきの習慣がありません。虫歯は当たり前で、中には重症で命を落とす子も少なくないということです。そのため羽尾院長は毎年現地に渡り、歯科治療にあたるとともに、大量の歯ブラシを配っています。
8日は学校代表の児童が、歯ブラシ223本、タオル206枚をもって、羽尾医院に届けに行きました。受け取った羽尾委員長は「虫歯で死なないで済むと思うし、タオルも3~5年は使ってくれる。清潔になって病気にならないと思う。皆さんの思いを大切に届ける」と話しました。
有田小ボランティア委員会の小池善士郎委員長は「今回の活動でフィリピンの人たちを助けられてうれしい」植木真副委員長は「現地の歯科治療は一回しか行けないので歯を抜くしかないが、それでも助けに行こうとすることがすごいと思った。高校生になったら羽尾院長とフィリピンの子どもたちを助けに行きたい」と話しました。
羽尾院長によりますと、コロナ禍でフィリピンでの活動はここ2年間休止していますが、歯ブラシなどは定期的に送っているということです。「歯ブラシ1本で救える命があることを有田小の児童が感じてくれて、歯ブラシを持ってきてくれたことに感動した。これからの彼らに期待したい」と話していました。
児童が集めた歯ブラシなどは今年6月頃、フィリピンへ送り出す予定ということです。
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