2017年07月26日 18:27更新
雪下・雪室野菜の更なる生産拡大とブランド力の向上をめざし、JAや農家などでつくる新たな研究会が26日に設立された。研究会では、消費者の声から見えてきた課題をもとに雪下・雪室野菜栽培の「ルール作り」に乗り出す。
「雪下・雪室研究会(仮称)」は雪下栽培野菜・雪室熟成野菜の栽培技術の確立や販売促進、ブランド力向上をめざして、JAや16の生産農家、行政などで組織する。設立総会では、浦川原区の農家、相澤誠一さんが会長に選ばれた。
JAえちご上越の直売所 あるるん畑では平成22年から専門のコーナーを設置し、24年からはキャベツ、ニンジン、白菜などの雪下栽培野菜を「雪下畑の仲間たち」としてブランド化を目指してきた。
過去7年間で生産農家は去年までに2倍に。販売額は4倍近くまで伸びている。雪下・雪室野菜が普及する一方で、JAえちご上越の亦野潤一さんは「一般的には『雪下野菜』の知名度が高い。『雪室』と『雪下』で何が違うか問われる」と話す。
明確な区分が存在しないなか「雪下畑の仲間たち」・「雪下野菜」・「雪室野菜」という名前が同時に存在し、広がる状況が消費者と生産農家に招くという課題が見えてきた。
また何日以上、雪の下や雪室の中で貯蔵すればよいかなど、明確な規定が存在しないため、生産者の栽培にバラつきが見られ、生産意欲やブランド力の低下に結び付く恐れがある。そのため研究会では、出荷する際のガイドラインを作成し、雪下・雪室野菜づくりのルール化を急ぐ。
すでに事務局ではガイドラインの原案を作製しており、今後、研究会の中で消費者アンケートや商品の品評会、先進地視察などを通して内容を検証し、来年度以降、野菜の出荷農家にルールを設ける方針。
JAえちご上越の石山忠雄 常務理事は「研究会を立ち上げる中で、しっかり検証し、地域の人や世間に『こういうもの』だと定義付けしていく。しっかりとしたデータを基に、ブランドの確立を図りたい」と話している。
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