2021年10月14日 12:11更新
コメだけに頼らない農業の可能性を求めて、妙高市坂口新田の坂口げんき農場で、ワインの原料にするブドウの収穫が行われています。ブドウ栽培を始めて6年。ようやく充分な収量が見込めるようになり、関係者は安堵の表情をみせています。
坂口げんき農場では、2.6ヘクタールの畑でワイン用のブドウ3種類を作っています。畑は、かつて耕作放棄地でした。それを整備して、6年前にブドウの苗木80本を植えたのが始まりです。
坂口げんき農場の後藤正直 代表理事は「地区は高齢化が進み、耕作されず荒れてきていた。最近はコメが安くなってきていて、コメの収入だけに頼っていてもダメだと。ブドウがこの地でそれなりに冬を越せることがわかり、規模を拡大することにした」と話しました。
ブドウの木は年々数を増やし、今では3000本を超えます。13日に収穫されたのは、日本ワイン用ブドウの父といわれる川上善兵衛が交配した品種「マスカットベーリーA」です。
苗木を植えたのは4年前。今年ようやく充分な収量を確保し、去年のおよそ4倍を見込んでいます。収穫したブドウは岩の原葡萄園が買い取り、ワインに加工されます。
後藤代表は「やっとここまで来たという感じ。1~2年は実もつかずに不安だったが、こうして房を付けてくれると、間違った方向に進んでいないと感じる」と話します。
地域のこし協力隊 塚田歓太郎さん
ブドウ栽培を担当している塚田歓太郎さんです。塚田さんは、今年7月、妙高市の地域のこし協力隊として農場に着任したばかり。農業の経験はありませんが週に2回、岩の原葡萄園でブドウ栽培を学んでいます。
塚田さんは「岩の原葡萄園で学んだことをフィードバックし、毎日勉強しながらやっている。聞いてもわからないことが多く、基礎知識は本で勉強した。農業の大変さを日々感じているが、一人前になれるように頑張っていきたい」と意気込んでいます。
後藤代表は「社員は高齢になっているなかで、若い人が入ると雰囲気も変わる。坂口げんき農場のブドウの成功は、塚田さんにかかっている」と、期待を寄せていました。
岩の原葡萄園で仕込んだワインは、早ければ来年、坂口げんき農場での販売を予定しています。
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