2021年03月06日 15:00更新
この冬の大雪による農業施設の被害が、雪解けが進むにつれ明らかになっています。市では2月始めの段階で、被害額は6億円にのぼると見込んでいます。三和区にあるブドウ園「あまや農園」では、雪の重みでブドウの木が折れるなどしたため、春に向けてどう立て直すか、思案に暮れています。
無残に枝が折れているのはブドウの木です。木を支える柱は倒れ、針金も曲がっています。
あまや農園のブドウ棚は高さ2メートルほど。1月の連休明けには積雪が3メートルほどありました。例年であれば、雪が棚より高く積もることはありませんでした。あまや農園の代表取締役、室山明美さんは「大雪で農園が埋もれて絶望的な状況。見たことのない光景で涙が出る」と話します。
室山さんによりますと、被害額は資材だけでも80万円ほどだといいます。農園では、毎年この時期は、棚に枝を巻き付ける誘線と呼ばれる作業にあたっています。室山さんは「今までにない状況で想定外。暖かくなるとブドウが成長し、同時に棚直しもしないといけないので春が大変」と今後に不安を募らせます。
3月に入っても、ブドウの木の被害がどれだけになるか、見通せていません。木を植え替えても実がなるのには4年以上かかります。
農園の近くではカフェを直営していて、メニューのブドウジュースやケーキに添えるソースなど、その材料をまかなうだけの収穫ができるか、不安があるということです。
室山さんは「収量がないと数量限定の販売になる可能性もある。ブドウ園のカフェなので、別のものでは対応できない。秋に向けて大切に育てていきたい」と話していました。
市によりますと3月1日現在、大雪による農業施設の破損などは369件、被害総額は6億円と見込まれています。このため、市では農業施設の建て直しや資材費用などを半分補助する事業に3億円の補正予算を組みました。
農林水産部の近藤直樹部長は「できる限り多くの農家が経営を再開できるように補助金を使っていただいて、行政としてバックアップしていきたい」と話しました。
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