2020年10月23日 18:11更新
慢性的な赤字に陥っている直江津‐小木航路の高速カーフェリー「あかね」の売却をめぐる問題で、上越市の村山市長は23日、県知事、佐渡市長、佐渡汽船社長とのトップ会談に臨んだ。その結果、佐渡汽船の経営がコロナ禍で債務超過の恐れがあるとして、経営再建を最優先とし「あかね」の売却とジェットフォイルへの入替えを受け入れることになった。
直江津‐小木航路の高速カーフェリー「あかね」をめぐっては、佐渡汽船が、航路の慢性的な赤字を解消するため、就航5年目にして船を売却し、代わりに運行コストを抑えられるジェットフォイルを充てる方針を打ち出している。
佐渡汽船によると「あかね」の運行による赤字は年間10億円。ジェットフォイルに入れ替えると、4億円圧縮できるということ。
しかし、ジェットフォイルでは車や貨物を運ぶことができない。このため、上越市の村山市長と佐渡市の渡辺市長は「あかね」売却への同意を保留したうえ、ジェットフォイル入れ替えの後、早い段階で再びカーフェリーに戻すことなどを求めていた。
しかし、きょうの会談では、佐渡汽船の経営がコロナ禍で債務超過の恐れがあるとして、経営再建を最優先することになり、「あかね」の売却とジェットフォイルへの入替えを受け入れることになった。
会談を終え、花角知事は村山市長からのフェリー早期導入について理解はできるとしたうえで、航路の収支がどうなるか、輸送時間がかかりサービスの低下にならないかなどを指摘し「今後検討が必要」と話した。
村山市長は「佐渡汽船の経営が非常にひっ迫して厳しいなか、採算性の劣る小木‐直江津航路を上越市としては観光航路と見て、一定の取り組みをしていかなければ(佐渡汽船の経営)が立ち行かなくなる。ジェットフォイルに置換えたときに、どう汽船の収益に変えていけるのか…」と話した。
上越市と佐渡市が「あかね」売却に同意したことで、今後は佐渡汽船が売却先との交渉を始める。また、来年春からのジェットフォイル運行に向けて国交省との手続きに入る。
佐渡汽船はコロナ禍によって旅客が大幅に減少。今年度12月通期の業績予想は約27億円の大幅な赤字、決算は債務超過になる見通し。また、あかねの建造費は60億円。このうち2億5,000万円を上越市が負担した。佐渡汽船は、上越市からの補助金は原則返却するとしている。
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