2020年10月10日 17:42更新
昭和46年まで頸城平野を走っていた鉄道の車両を公開するイベントが、10日に上越市頸城区にあるくびき野レールパークで開かれた。
公開されたのは旧頸城鉄道の車両。頸城鉄道は大正3年に開業し、主に黒井から浦川原までの約15キロを走っていた。昭和46年に廃業になってからは兵庫県で保管されていたが、平成16年に旧頸城村に戻され動態保存されてきた。
このイベントは市民団体「くびきのお宝のこす会」が、地元のお宝に触れてもらおうと毎年開いている。例年5月から10月の間に年5回開催され、県内外から年間2千人以上が訪れる人気イベント。しかし今年はコロナの影響で中止が続き、一日のみの開催となった。
くびきのお宝のこす会の西山義則会長は「今年はもうイベントはできないと諦めムードがあったが、何とか開催したいと検討してきた。動態保存をしている車両は動かさないと調子が悪くなるため、その機会ができてありがたい」と話していた。
イベントの目玉は乗車体験。ディーゼル機関車の「DC92」と、内燃客車の「ホジ3」が連結した4両編成の軽便鉄道に乗ることができる。コロナ対策で定員は半分の28人に減らし、間を開けて座る。
来場者の中には、幼いころに頸城鉄道に乗っていた人もいて「当時はまだ子供で体が小さかったが、今乗ってみるとこんなに小さかったかなと不思議に思った。懐かしさを感じられて嬉しい」と話していた。
そのほか会場には、ミニトロッコの乗車体験やジオラマ模型の運転体験など子ども向けの催しもあり、多くの親子連れが訪れていた。
西山会長は「頸城鉄道は地域の足として活躍していた大切な乗り物だった。復活して動くことを地域の人は喜んでくれている。今後も地域のお宝を守り、次の世代に残していきたい」と話していた。
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