2020年03月07日 18:47更新
上越市寺町3丁目の日蓮宗、妙国寺の修徒、中嶋教観さんが100日間に渡る大荒行に臨み、修行が無事終えたことを告げる奉告式を7日行った。今回初めて、境内にある疫病除けの神がまつられた祠でも祈祷が行われ、新型コロナウイルスの沈静化を祈った。
大荒行を終えたのは妙国寺の中嶋教高住職の三男で、神奈川県鎌倉市の長勝寺の僧侶、中嶋教観さん36歳。修行をともにした6人の僧侶と檀信徒と共に題目を唱えながら高田駅から妙国寺までを歩き、帰山を知らせた。
境内に着くとまず向かったのは「山岡神霊位」の堂祠。平安時代の山岡太夫の墓で、森鴎外の小説「山椒大夫」の墓ともいわれ、疫病・難病除けの神とされている。ここで一同は日本国内・世界中で広がる新型コロナウイルス感染症の沈静化と人々の安心安寧を祈祷した。
大荒行は日蓮宗の秘法を習得するためのもので、毎年11月1日から翌年2月10日までの100日間、千葉県市川市の法華経寺で、全国の僧侶が参加して行なわれる。修行では身を清めるために1日7回の水行や読経を繰り返す。毎朝2時に起き、夜の12時ごろまで続け、1日の睡眠時間はわずか2時間、食事は朝と夕方の2回、いずれもおかゆと味噌汁のみ。教観さんにとっては4年ぶり3度目の参加だったが体重を20㎏も落とすほどの過酷な修行だった。教観さんは水行と読経をおこない、檀信徒や支援者たちに無事に修行が終えたことを報告。
「修行中は寺の外の情報がわからない。出てきたら世の中が新型コロナウイルスの騒動だった。何かできないかと思っていたら住職に『うちには疫病除けの神がいる。荒行を修めた力を神様に与えてほしい。』と言われ、これは私たちの出番と思った。皆さん不安が大きいと思う。我々僧侶は病気を治すことはできないが、病気に打ち勝つ気持ちを授けることができる。一日も早く収束して、平穏で安心できる日々が続けば。」と教観さんは話していた。
※ご覧の記事の内容は2020年3月9日(月)JCVニュースLiNKで放送予定(TV111ch)初回18:30
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