2019年03月22日 06:00更新
上越市は子育て中の世帯で共働きが増える中、保育園の柔軟な運営が求められているとして、公立の保育園を来年度から3か年計画で4園程度民営化する方針。民営化されると、公立よりも開園時間が延長されるなど、さまざまなメリットが期待できる。
上越市によると少子化が進む中、保育園への就園率は下がっていないという。特に1歳児の就園率は、平成24年度で37%だったものが、平成30年度には53%と大幅に増えている。この背景には、子育て世帯で共働きが増え、保育の需要が高まっていることがある。
こうした中、上越市では保育園の柔軟な運営をめざして、平成23年度から保育園の民営化に取り組んでいる。
ここは、ひがししろ保育園。平成27年4月に民営化され、上越市西城町のマリア愛児園などを運営する社会福祉法人が運営している。
ひがししろ保育園の横尾ユキエ園長は「保護者や子どもにとって、職員が変わることが一番の不安材料。公立のころに働いていた非常勤職員3人を正規職員にした」と話す。
開園時間は公立のときより平日で1時間延長して午後7時までとした。また土曜日は、午前のみの開園だったものを、朝の開園を30分早めたうえ、夕方5時まで預けられるようにした。
園によると、毎週土曜日は10人以上が利用し、保護者からも「ありがたい」という声が上がっているという。
上越市はこうした民営化をさらに進めようと、新年度からの3年間で公立保育園4園程度を民営化する。狙いは開園時間の拡大、延長だけではない。
上越市保育課の坂井晃課長は「公立と私立の保育の質・ベースは変わらないが、私立は色んな工夫・特色が出ている」と、私立の取り組みを評価する。
実際、ひがししろ保育園では、公立のときよりも園児が体を動かす時間を増やした。
横尾園長は「乳幼児期に運動機能が発達する。外部講師を招き、体操教室を取り入れた。子どもたちの自信につながり、遊びへの意欲が出てきた」と分析している。
さらに保育園の民営化は、市の財政負担を減らすことができる。市によると、園児1人にかかる年間の経費は約130万円。それに対する国や県の補助金は、公立保育園が3.3%なのに対し、私立になると49.9%と10倍以上になる。
保育園の民営化は、ひがししろ保育園のほかにも吉川区でふたつの公立とひとつの私立が統合され、民営化されている。市では4つの保育園民営化をふくめた再配置を3か年計画としているが、前倒しも検討していくという。
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