2018年09月09日 20:31更新
上越市北方にある岩の原葡萄園の創業者で、日本のワインぶどうの父と呼ばれる川上善兵衛の生誕150周年を記念したトークイベントが、9日上越市で開かれた。会場では川上善兵衛のひ孫、川上洋さん、善兵衛にワインを作るきっかけを与えた勝海舟の孫の孫、やしゃごに当たる高山みな子さんが善兵衛や海舟の志、2人の親密な関係について明かした。
岩の原葡萄園や上越市などで作る実行委員会が企画。トークセッションでは川上善兵衛のひ孫、川上洋さん、善兵衛にワインを作るきっかけを与えた勝海舟の孫の孫、やしゃごに当たる高山みな子さん、そして岩の原の葡萄園の神田和明社長が善兵衛や海舟について語った。
川上洋さん
善兵衛は慶応4年、大地主の六代目として現在の上越市北方に生まれる。45歳年上の海舟との交流は、善兵衛が14歳のときに始まった。
このとき、海舟は若者の支援に力を入れていて、当時、洋食やワインが日本で普及しはじめていたことを、海舟が善兵衛に伝えたのではないかと高山さんは見ている。そして雇用を生むためには、海外も視野に入れて新しいものを作る必要があり、善兵衛に助言したと推測した。
高山みな子さん
また、川上さんは善兵衛がワインづくりを志した理由として、「海舟から西洋のことについて聞かされ、強い憧れをもっていた。西洋に対抗するために事業で頑張った」などと話した。高山さんは海舟が75歳まで生きた理由について、「海舟は善兵衛のような若者たちに頼られることが生きがいになり、長生きにつながったと思う」と話した。
このトークイベントに先立ち、校区に岩の原葡萄園がある高士小学校の6年生が、総合学習で岩の原葡萄園のブドウの手入れや善兵衛の生き様から自分たちの将来を考えていることを発表した。会場にはおよそ400人が訪れ、地域の偉人に思いをはせた。
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