2024年06月05日 18:00更新
上越市と妙高市の3つの蔵元が原料を持ち寄って今年仕込んだ日本酒が完成しました。来月の発売を前に4日(火)試飲会が行われ、関係者が味を確かめました。全国的にも珍しい蔵元が共同でつくった日本酒は一体どんな味になったのでしょうか?
3つの蔵元が共同で造った日本酒「Baton」です。それぞれの伝統を受け継ぐという意味が込められています。
今年3月 仕込みの様子
仕込んだのは妙高市の「千代の光酒造」、上越市大潟区の「竹田酒造店」、柿崎区の「頚城酒造」の3蔵で結成したユニット「Kurap3(クラップスリー)」です。今年3月には、竹田酒造店の蔵の中にある古い梁などにすみついているいわゆる「蔵付き酵母」と、頚城酒造の仕込み水「大出口泉水」に、上越産の酒米山田錦を混ぜ合わせ、千代の光酒造で仕込みをしました。
写真提供:千代の光酒造
精米後、コメの表面に残ったぬかを取り除く洗米作業は、機械を使わずに竹田酒造店が行っている「素手とぎ」で行いました。
この日は発売を前に、完成した酒の味を確かめました。
竹田酒造店 竹田春毅さん
「注いだときにうちの酵母の特徴、メロンのような香りがある。甘みも酸味もあるが、後味がすっとキレる」
頚城酒造杜氏 吉崎司さん
「香りはかたふね(竹田酒造店)、味本来は千代の光のもの。うちの水の特徴としては、きれいさが出ている。甘い、酸っぱい、苦い、渋いと全部ある。思っていた以上に美味しい」
共同の酒造りは、それぞれの蔵で培われた経験と技を持ち寄り、互いに刺激し合おうと行われました。全国的にも珍しい取り組みだということです。
千代の光酒造 池田剣一郎 取締役社長
「不確定要素をあえて盛り込むので心配な部分はあったが、通常の造りでは得られない良い刺激になった。新しい酒ができた」
このあとラベルが作られ、「Baton」は来月中に上越市と妙高市の酒販店を中心に販売される予定です。720ミリリットルで1200本限定です。また、最も品質が良いとされる搾りの中間部分「中取り」を詰めたプレミアムバージョンが、300本販売されます。販売開始日は、決まり次第千代の光のホームページなどで発表されます。
千代の光酒造 池田剣一郎 取締役社長
「派手さはないが、何か気になる魅力のある酒。まずは地元の人に飲んでほしい。そこから友達や家族に広めてもらえたらうれしい」
なお、今回作られた「Baton」の精米歩合などの情報は非公開となっています。今後はイベントなどを開き、地域の酒文化を盛り上げていきたいということです。
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