2023年07月05日 17:26更新
北越急行は今年10月からほくほく線の普通運賃と通勤定期を20%、通学定期を10%値上げすることを発表しました。平成30年以来、2度目の運賃改定で通学定期は初の値上げとなります。
これは4日(火)に開かれた北越急行の決算概況の発表会見で示されました。今回の運賃改定では普通運賃と通勤定期が20%。これまで据え置きとなっていた通学定期が初めて10%値上がりします。具体的に普通運賃は初乗りが現在の170円から210円に値上がりします。最も距離の長い犀潟-六日町駅間は現在の1090円から220円値上がりして1310円になります。
北越急行によりますと、この改定によって来年度の運輸収入は5000万円ほど増える見込みということです。
北越急行が平成26年に策定した経営計画では平成30年、令和10年、令和20年と3回にわたって10%ずつ値上げし、運賃をほかの第三セクター鉄道の平均並みにそろえるねらいでした。しかし沿線周辺からの人口流出や、旅客の減少に加え、コロナ禍や燃料費などの高騰で経費がかさんでいるとして、前倒しで値上げすることになりました。
北越急行 小池裕明 社長
「今後の運賃値上げということは今現在まったく考えていない。できればしたくないと思っている。今回は値上げとなるので、なにかお客様にとって利用しやすい環境づくりもあわせて取り組んでいかなければいけない。そのほか、お客様が楽しめるイベント列車の運行などは、今まで以上にチャレンジしていきたい」
北越急行の昨年度の決算では、運輸収入がおよそ2億8200万円と前年度と比べて7800万円余り回復しました。利用者数でみると前年度より10万人ほど増え91万7000人となりました。なかでも定期以外の利用者が前年度に比べて5割ほど増えましたが、コロナ禍前の令和元年と比べると利用者数全体はまだ76%に留まっています。
一方で、当期純損失は前年度と大きく変わらず5億2700万円の赤字となりました。北陸新幹線開業前に運行していた特急はくたかの収入による内部留保はピーク時で130億円ありましたが、昨年度末時点では90億円まで減っています。
北越急行 小池裕明 社長
「新型コロナの長期化、不安定な国際情勢による物価高騰など、鉄道事業全体に大きな影響を及ぼした。ほくほく線においても、お客様のご利用が(コロナ禍前より)減少して極めて厳しい決算となった。引き続き収益力向上、固定費のコスト構造の柔軟化に全力で取り組み、安全性の向上、変化への対応、事業継続に向け、改革に取り組んでいく」
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