2023年02月24日 16:00更新
上越市が主催する「第31回 小川未明文学賞」の今年度の大賞に大阪府の主婦、有本 綾さん(43)の作品「小さな僕のメロディ」が選ばれました。
小川未明文学賞は、小学生を読者対象にした創作児童文学作品のコンテストです。今年度は、短編部門に301編、長編部門に256編、あわせて、577編の応募がありました。上越市文化振興課によりますと過去2番目に多かったということです。上越市からの応募は7編でした。
審査の結果、大賞に選ばれたのは大阪府の主婦、有本 綾さんの長編作品「小さな僕のメロディ」です。物語は小学6年生の男の子が、駅でピアノを弾くおじいさんと出会い、ピアノを教えてもらいながら成長していく様子が描かれています。
22日は、小川未明文学賞委員会の宮川健朗会長が中川市長に結果を報告しました。
宮川会長は大賞作品について「進学など塾に通う現実に違和感を感じている少年が、自分の現実を再構成していく良い作品。同じように塾に通って忙しい日々を過ごす子どもたちがうまく過ごすヒントになる」と話していました。
作者の有本さんは43歳。高校教諭を務めていましたが、コロナをきっかけに退職した中で、同じくコロナで窮屈な学校生活を送る子どもに向けて何か書きたいと思ったということです。受賞に寄せて、有本さんは「物語を書くときは教え子の顔がたくさん浮かびました。読んだ人の心に小さな種を蒔き、それがいつか花になるきっかけになれたら素敵です」とコメントしました。
宮川会長は「新しい子どもの文学をこの賞を通して開拓していく、新しい作品を見つけることによって子どもの新しい読書を開く事だと思う」と小川未明文学賞の目的についても語りました。
また、優秀賞には東京都の藤江洋一さん67歳の短編作品「それでええんや」が選ばれました。
大賞作品は、単行本として、今年11月ころ出版されることになっています。
また、この日は昨年度の大賞作品「カステラアパートのざらめさん」の単行本74冊が上越市に寄贈されました。この後、市内の小学校や図書館などに配られます。
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