2022年09月08日 18:13更新
東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働について、いわゆるUPZ、原発から30キロ圏内にある上越市や十日町市など7市町は、東京電力と「事前了解権」を含む安全協定を結んでほしいと、県内の自治体議員団でつくるUPZ議員研究会が、8月中旬からそれぞれの首長を訪ねて要請しました。その結果、中川上越市長を含め全員が、県の判断に委ねると答えました。
議員研究会が要請した安全協定の案では、東京電力が柏崎刈羽原子力発電所を再稼働する場合は、原発から30キロ圏内にあるいわゆるUPZ区域内の7市町が、東京電力との間で「事前了解権」を持ち、住民の意思を反映させるべきと示されています。
議員研究会は、8月中旬から9月5日までに、上越市や十日町市などUPZ圏内にある7市町すべての首長などを訪ねて、協定案を手渡しました。その結果、いずれの自治体も安全協定の締結は難しいと答えたということです。
そのうち、上越市の中川幹太市長は議員研究会に対して、事前了解権は必要だとしたうえで、次のように話しました。
中川市長
「県内のUPZ圏内の状況をみると一致団結して実現する雰囲気ではない。まずは『事前了解権』に向けて取り組みを進めることが大事だと思うので、協定締結には応えられない」
UPZ議員研究会 関三郎 会長
「(協定締結に向け)一歩後退。市長という重責で慎重になったと思った。決定権はないが『事前了解権が必要だ』と啓もう活動をしていきたい」
一方、長岡市の磯田達伸市長は、原子力安全対策に関する市町村の研究会で「事前了解権」を議論のテーマにしたいと意欲を示したということです。
UPZ議員研究会では、去年4月にUPZ圏内の住民1000人あまりを対象に電話アンケートを行いました。結果、その8割強がUPZ圏内の自治体に事前了解権が必要だと答えたということです。
研究会では今後総会を開き、これからの活動をどうするか話し合うことにしています。
UPZ議員研究会の一人、上越市の牧田正樹市会議員は、アンケート結果を踏まえて「自治体は住民の声を無視できないと思う」と話していました。
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