2022年08月19日 19:07更新
上越市頸城区にある個人美術館、樹下美術館で開館15周年の記念展が開かれています。
樹下美術館は大潟区の開業医、杉田玄さんのコレクションを中心に展示してきました。今年6月に開館15周年をむかえ、その記念として地元出身作家の作品9点を特別展示しています。作家の多くが美術館で常設展示している、上越市出身の洋画家、倉石隆が所属していた主体美術協会に関わりがあります。
これは杉田館長が最も気に入っている作品、倉石隆の「秋」です。「見れば見るほどこの子が魅力な引力を持って描かれていることに感心する。まだ若い子にもかかわらず、自己を持っていて強さを発揮している。衣装も実に分厚く、かわいい女の子を守っているかのよう。これは倉石さんの傷つけたくない気持ちが入っているのか」と杉田館長は話します。
こちらは上越市在住の涌井和子さんの作品「烟る街」です。全体的に暗いトーンで描かれるなか、明るい色で描かれた街の中心は新型コロナによる閉塞感を表しています。
これは上越市在住の筑波進さんの作品、「七巡りうさぎ年の女」です。杉田館長は作品について「干支を7回繰り返したうさぎ年の人、84歳にあたる人間もしくは時間を表現している。干支の動物は物理的な時間を表していて、その時間が巡る中、人間は年老いて変容していくが、自分は上を向いて将来を見据えて立っている」と話すほか、「鑑賞は皆さんの気持ちや態度にお任せしたい。こちらは皆さんに気持ちよく見てもらう準備をしておく」と来場を呼び掛けています。
このほか6月から行われていた特別展示も会期を延長し、陶芸家齊藤三郎とゆかりのある人の作品や写真などもみることができます。中には棟方志功がかつて大潟を訪れて盆踊りを見たときに作った版画作品など貴重な作品もあります。
特別展「ふるさと上越主体美術協会の人々展」と「齊藤三郎ゆかりの人々展」は9月20日(火)まで上越市頸城区城野腰の樹下美術館で開かれています。
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