2016年11月16日 13:38更新
郵便事業をはじめとする明治近代化の立役者で、上越市出身の偉人、前島密が書いた長さ10mの「のぼり旗」が上越市内で見つかり、本町3丁目の旧第四銀行高田支店で一般公開されている。
「のぼり旗」は明治36年、前島密が68歳のときに自ら書いたもの。長さ10mの旗は2つあり、漢文で書かれている。
神光君威民儀國勢遍照中外邦域
(解釈)神々や君主のご威光、人民の礼儀正しさや国の勢いというものが、あまねく国内と国外の領土を照らしている。
時平年豊民謳歌
(解釈)おりしも河水の平穏な年、豊かな民が謳歌している。
いずれも密の生家に近い上越市上富川の八社神社に奉納されていたもので、約50年前に神社の祭礼で掲げられた以来、公開されることはなかった。当時のことを覚えていた市民が「郷土の偉人 前島密翁を顕彰する会」に旗の存在を知らせ、公開された。
顕彰する会の堀井靖功会長は「前島先生が人生で最ものぼりつめたときに書かれた非常に意味のある書。手紙や掛け軸などは地元にあるが、このような大きなのぼり旗が地元から出てきたことは、非常にうれしい」と話している。
会場には密の生涯や業績を紹介する絵画パネル57点も展示されている。日本の郵便事業の礎を築いた功績をはじめ、鉄道や陸海運送、新聞社や電話など運輸、通信分野でも多大な影響を与えた人物像がわかるようになっている。
密直筆ののぼり旗が公開されている「前島密一代記展」は今月24日まで上越市本町3丁目の旧第四銀行高田支店で開かれている。
「郷土の偉人 前島密翁を顕彰する会」では11月23日に密と故郷上越の絆を探る講演会を上越市市民プラザで開催する。時間は午後1時30分からで入場は無料。
2016年11月16日 ニュースLiNKで放送 18:30~