2022年01月05日 04:00更新
全国各地から50種類の砂がエントリーした、日本一すべらない砂を決める「すべらない砂甲子園」。新潟県代表として出場した糸魚川市のヒスイ輝石岩が、3位入賞を果たしました。
ヒスイ輝石岩
「すべらない砂甲子園」は、去年に創立50周年を迎えた国立研究開発法人 海洋研究開発機構、通称JAMSTECが企画しました。JAMSTECは、海底から採取した砂や岩石の分析から、地球進化の過程や生物の多様性の謎の解明に取り組んでいる、日本の海洋科学技術の総合的な研究機関です。最近では、砂に混入する海洋プラスチックの環境問題や、小惑星リュウグウから持ち帰ってきた砂粒子の分析など、多岐にわたる砂の研究に取り組んでいます。
JAMSTECホームページ
「すべらない砂甲子園」は、研究に欠かせない砂の世界を広く、より身近に感じてもらおうとJAMSTECの創立50周年事業として開催されました。都道府県を代表する砂を募集する一方で、各地のジオパークへ出場の打診をし、書類選考を勝ち抜いた全国の50砂が「一番すべらない砂」=「最強の砂」を目指して、トーナメント形式で対戦しました。
上下の模擬岩石をゆっくりとひねり、「すべった」側の砂が負け
審査には、最先端の摩擦試験装置を用いて、対戦する二つの砂に同時に力をかけて、すべらなかった方の砂が勝者となります。試合は去年7月からスタートし、毎週金曜日に対戦の模様がYouTubeで配信され、11月に決勝戦が行われました。
小滝川ヒスイ峡
糸魚川ジオパークが応募し、新潟県代表の砂に選ばれたヒスイ輝石岩は、1回戦で兵庫県代表「砂金採集時に大量に採れる砂金混じりの砂鉄を磁化したもの」、2回戦で沖縄県代表「星砂」、3回戦で山形県代表「釜磯海水浴場の砂」、4回戦で長崎県代表「長崎県五島列島福江島三井楽地区柏の石灰質砂丘岩」に勝ちました。そして迎えた準決勝では、高知県代表「室戸岬先端の斑糲岩の砂」に負けて3位決定戦へ。ここで大阪府代表で人口砂の「クライミングチョーク」に勝ち、3位に輝きました。
長い激戦を制し、見事に優勝を果たしたのは福井県代表「若狭かき殻石灰砂」でした。
3位決定戦
新潟県代表 ヒスイ輝石岩 VS 大阪府代表 クライミングチョーク
大会の模様はすべて、JAMSTECのホームページで映像で見ることができます。
糸魚川ジオパークでは試合があるごとにホームページやSNSで発信してきましたが「おもしろい大会だった」という感想や、「岩石によって滑りやすいものと滑りにくものがあることが学べた」など、さまざまな反響があったということです。
糸魚川ジオパーク協議会事務局の香取拓馬さんは「糸魚川を代表する岩石で、新潟県代表として出場したヒスイ輝石岩は、日本の国石に認定されている日本を代表する石でもあります。結果は3位入賞ということで、国石の誇りを見せることができたとうれしく思っています」と話しています。
糸魚川市のヒスイに関する詳しい情報はこちらhttps://fmm.geo-itoigawa.com/event-learning/about_hisui/
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