2020年07月15日 18:48更新
自閉症などの障がいを持つ人が新型コロナウイルスに感染した場合、どうすればよいか考えようと、上越市議会が15日、障がい者を支援する団体「手をつなぐ育成会」と意見交換会を開いた。
意見を交わしたのは上越市議会の新型コロナウイルス調査対策特別委員会と、市内で障がい者などの支援を行う団体「手をつなぐ育成会」。15日は主に自閉症の人が感染した場合、どうしたらよいかを話し合った。その中で普段サポートしてもらっている介護員は、感染に対応できないことが指摘された。上越地区手をつなぐ育成会会長の松原義一さんは「介助は医療分野でなくなる。探ってみるとモヤモヤしている。感染すると死も覚悟しないといけないので介護員にお願いするわけにいかない」と説明。
そして、自閉症の人が医療サービスを受ける状況が紹介された。例えば歯科診療では、治療を拒んでやむなく麻酔を使われる人がいたり、病院の入り口で引き返す人もいるということ。
そのうえで、事前に絵などを使って治療の手順を伝えたところ、拒否されなかったケースも紹介された。さらに新型コロナウイルスに感染して病院に隔離された場合は、保護者が付き添わないと生活が成り立たなくなる可能性が指摘された。上越地区手をつなぐ育成会副会長の山川美香さんは「まず命、それは当たり前。しかし、看護師の当たり前と親の当たり前は違う。対応によって、その先の医療の関わり方が全く違ってくる。甘やかしてほしいではなく、理解してほしい」と訴えた。
その他、感染者が入院する際には保健所が障がいの特性などについて、かかりつけの病院と情報を十分に共有して欲しいという声があがった。松原会長は「それぞれの人の特性を理解したうえで治療にあたらないと、思うような治療ができない。各機関と連携体制をつくっていきたい」と話した。
また、新型コロナウイルス調査対策特別委員会の医療福祉部会の牧田正樹部会長は「行政の縦割りの体制が表に出てきた。それを克服できるようにやらないといけない。きょうのことを踏まえて市に提言していきたい」と今後を見据えた。
Copyright (C) 2016-2023 上越妙高タウン情報 All rights reserved.