2017年03月25日 19:10更新
国内で数々の映画賞を受賞したアニメ映画「この世界の片隅に」が、上越市の高田世界館で上映され、片渕須直監督が舞台あいさつした。会場には新作映画の公開としてはこれまででもっとも多い200人がつめかけた。
「この世界の片隅に」は第2次世界大戦の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前向きに生きる女性の日常を描いた同名マンガが原作のアニメ映画。日本アカデミー賞最優秀アニメ作品賞に選ばれるなど、数々の映画賞を受賞しているほか、インターネットを通じて制作資金を集めたことでも話題になった。全国でロングラン上映されているほか、高田世界館では先月から再上映されていて、映画の脚本も務めた片渕須直監督が舞台あいさつした。
(「以前から高田世界館を訪れたいという思いがあり、ようやく来ることができた」と、片渕監督)
「本当にステキ。2階席もあり、芝居小屋みたい」と、切り出した片渕監督。営業している国内の映画館としてはもっとも古く、建設から106年経った高田世界館について、「祖父が映画館を経営していた。ロビーにいるとセリフや音楽など映画の音が漏れて聞こえてくるのが、懐かしく、こういう映画館のいいところ」と、感激したようすだった。
(片渕監督のサイン会には、長い列が)
映画の上映後はサイン会があり、ファンが列をつくった。今回で「この世界の片隅に」を44回見たという東京から来た男性は、「映画の時代性や雰囲気とマッチしている」と、最新の映画館とは違う雰囲気に満足そうだった。高田世界館では3年前から新作映画を公開していて、今回、これまででもっとも多い200人が映画を鑑賞した。高田世界館の支配人、上野迪音さんは「2014年から一般上映を毎日続けるようになり、ようやく軌道に乗ってきた。映画館といっしょにまちを知ってほしい」と、活動の積み重ねに手応えを感じていた。
(高田世界館の支配人、上野さん)
※2017年3月28日(火) ニュースLiNKで放送 初回18:30~