2019年06月16日 07:00更新

上越市高土町3の猪俣美術建具店の組子建具がこのほど、県内で初めて「COOL JAPAN AWARD」の認定を受賞した。これにより同社の製品は、海外プロモーションなどで活用できる「COOL JAPAN認定マーク」が無償・無期限で使用できるようになる。

5月27日　表彰式

「COOL JAPAN AWARD」は世界各国の外国人審査員により、外国人目線で客観的に「クール」と認められたものを「クールジャパン」として発掘・認定するもの。対象は製品などの「モノ」だけでなく、まちづくりや文化などの「コト」まで多岐にわたる。

2015年から始まり、近隣では長野県山ノ内町、地獄谷の「スノーモンキー」が受賞している。2019年のアワードでは3月に全国から307件の他、他薦による審査対象が集まり、外国人審査員100人の審査のうえ、53件が受賞。そのひとつに県内で初めて猪俣美術建具店の組子建具が選ばれた。

猪俣美術建具店の組子建具は他薦で選ばれ、当選通知が届いたという。代表の猪俣一博さんは「突然のことだったので驚いたが、すごく嬉しい」と。

猪俣美術建具店は、日本の伝統技術「組子」を使った建具を親子二代に渡って製作している。伝統的な技法を応用した曲線のデザインが特徴。上越市が市内の優れた製品を認証する「メイド・イン上越」にも選ばれている。上越市内では、仲町にある百年料亭 宇喜世や雁木亭の店内に使われている。その他、県外の飲食店や個人宅、最近では、フランスやベルギーの個人宅にも扉などを納めている。

今回の受賞について猪俣さんは「4年ほど前から海外の展示会などに積極的に出展していることや、SNSで発信していることで目に留まったのでは」と話す。

猪俣さんは組子について「組子はインテリアとしても魅力があり、見せ方によっては和にも洋にもなる」と。今後、海外の仕事を増やしていきたいとし、今回のCOOL JAPAN AWARDの受賞は「海外で仕事をしていく上で、はずみになる」と話す。

今回の受賞対象者は今年10月にニューヨークで、来年1月にパリで海外展示が予定されている。また、各省庁と連携し、海外展開やインバウンド支援が予定されている。