2019年05月24日 16:50更新

えちごトキめき鉄道の運賃が来年4月から3割程度値上がりすることになった。理由として、2年連続で減益になった他、鉄道施設の維持費用が想定を上回るなど厳しい経営状況がある。

これはきのう23日開かれたえちごトキめき鉄道の取締役会で決まった。これまで、トキめき鉄道ではリゾート列車「雪月花」の活用やインバウンドを含む誘客の促進などに取り組み、さらに職員を1割減らすなど経費の削減に努めてきた。

しかし、昨年度の営業収益は36億6900万円。前年度より4億5800万円減った。減益は2年連続。その大きな要因が、昨年度の西日本豪雨による貨物列車の利用落ち込み。前年度より約4億3000万円減った。

また、通勤・通学の定期を使った乗車状況が1日平均6890人で前年度の97％台となり、開業以来初めて前年度を下回った。特に通学は少子化が影響していて、定期の利用者は今後も減ると見られている。

さらに電気関係施設などが当初の予想以上に改修が必要となり全体の経費が当初の見込みより年約7億円増えた50億5000万円となった。

これまで、トキめき鉄道では運賃をJRの時と同じ水準に据え置いてきた。全国の同業他社の中では最低水準ということ。

しかし、このままでは現在の運行本数を維持することが難しいとして、今回4年前の開業以来はじめてとなる運賃の値上げを決め、来年4月から3割程度引き上げられる。

一方で、通学定期に関しては保護者の負担を減らすため、値上げ幅を3割以下に抑える方向で県や沿線3市と協議している。

2019年4月24日　嶋津忠裕 社長

23日の取締役会では、嶋津忠裕社長が9月上旬で退任することが決まった。理由は「健康上の不安」としている。これに合わせ24日から社長の公募を始めた。応募の締め切りは来月28日。詳しくはトキめき鉄道のホームページへ。

えちごトキめき鉄道では、75歳以上の高齢者にむけ割り引き回数券の販売や、スマートフォンで運行状況がわかるサービスを開始する予定で、今後の利便性の向上に取り組むとしている。

※ご覧の記事の内容は2019年5月24日（金）JCVニュースLiNKで放送予定（TV111ch） 初回18:30～
※プレミアム会員 見逃し視聴（配信期間日5月24日 19:00～30日 19:00まで）