2016年10月20日 16:17更新
上越市大町4丁目の老舗とんかつ店「とんかつ大矢」が10月20日に幕をとじた。地域に愛されて45年 。最終日も思い出の味を求めて、朝から長蛇の列が出来た。
「とんかつ大矢」は上越市本町で肉屋を営んでいた主人が、おしい肉を庶民価格で味わってもらおうと昭和46年8月にオープン。わらかく美味しい肉を吟味し、パン粉や油にもこだわってきた。またケチャップ、ウスターソース、砂糖などを調合したオリジナルソースとマッチさせた、大矢ならではの味が人気を博し、多くの人に愛されてきた。
今年5月、店主のご主人が亡くなってからは、創業当初から店主と共に厨房を守り続けてきたスタッフを中心に営業を続けてきたが、体調不良や高齢化などからやむなく閉店することに。「とんかつ大矢」の大矢美智子さんは大行列に驚きながらも「夫婦二人とも美味しいものが好きで、それを求めて作ってきただけ」と謙虚に話す。
最終日は開店前から100人を超える人が列を作り、それぞれ思い出の味を堪能した。決まってカツ重を注文してきたという男性客は、部活終わりに先生にごちそうしてもらった思い出にひたりながら、最後のカツ重をほおばっていた。長い列は10日ほど前から続き、なかには閉店の知らせを聞いて県外から駆けつけた人も。また、閉店を知ったファンからは店にお礼のハガキも届いた。
大矢美智子さんは「思い出は色々あって、走馬灯のように巡ってくる。45年間いい思い出ばかりが浮かんでくる」と話し、来店客に重ね重ね感謝の気持ちを述べていた。