2018年04月28日 18:07更新
上越市浦川原区虫川にある国指定の天然記念物「虫川の大スギ」の幹を囲む「しめ縄づくり」が28日行われた。虫川の大スギは虫川集落にある白山神社にある御神木。高さ約30m、幹の周りは約10.6mあり、樹齢1200年以上ある全国でも有数の杉の巨木。これまで幹の中に穴があいていて銅板でふさがれていたが、去年8月から樹勢回復を目的に銅板から杉皮に取り換える作業が始まり、去年暮れに作業が終わった。またこの間の9月20日にはハチの駆除中に火災が発生。天然記念物を失うかもしれない事態にも見舞われた。これらの事柄があった期間は、幹を囲んでいたしめ縄は外されていた。新しいしめ縄作りには虫川自治会の住民約30人ほどが参加。実はしめ縄づくりは毎年白山神社の春まつりにあわせ、自治会が神社の清掃とともに行っている恒例行事。これを行わないと春が来ないという。女衆はしめ縄のパーツとなる綺麗な藁の選定と束ねる作業を。男衆はそれを編み込む作業に分かれる。三つにわけた芯に藁を注ぎ足すと、男3人が威勢の良い掛け声とともにねじりながら、芯を隣の人にタイミングよく渡し、1つの縄にきつく締め上げていく。幹の太さが10.6mなので、縄もそれ以上。また縄を巻いた後、最後に地元で「しょったら」と呼ばれる飾りの結び目をつけるため、しめ縄全体の長さは約16m作る。この作業だけで約2時間。
縄を巻いて、「しょったら」の形づくりに約30分かかった。虫川自治会の松口茂行会長は「去年から色々あって、そのあと作ったしめ縄。何とも言えない感慨深いところがある。また1年良いことがあるように。なんとしても後世末代まで続けていかなくてはならない。ますます樹勢回復事業に勤しんでいきたい。」と話していた。
また虫川大スギを守る会では、かつて雪害で折れた大スギの枝を加工しストラップをこのほど制作した。大スギのように「長寿」のお守りになればと期待を込める。このストラップは5月27日(日)、ほくほく線の虫川大杉駅前で開かれる「大浦安げんき市」で1つ500円で販売される予定。守る会の顧問、石徹白幸弘前会長は「虫川の大スギに関心を持ってもらいたい。皆さんに見てもらって末永く杉が残ってくれれば。」とストラップ販売を通して、市民の関心拡大に期待を寄せていた。
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